売却の手引き
ごあいさつ
お客様のなかには「所蔵している刀剣の価値がどれくらいなのか?」「価格査定を受けたが適正価格なのか?」「持っている刀剣が本物なのか?」「どうやって売却したらよいのか?」「売買には銃砲刀剣類登録証(※以下、登録証)が必要と聞いたことがある」「鑑定書が必要なのでしょうか?」など多くのご質問やご相談を伺います。私たち刀剣商に取りましては常日頃行っている刀剣に関する売買をはじめとして、登録証手続きや鑑定書取得など業務も、刀剣に触るのも初めてという方にはご不明・ご不安な点も多くお持ちではないでしょうか。実際に、お会いしてお話ししたり、お電話でお問い合わせくだされば、適切なアドバイスも可能ですので、ぜひ一度日本刀専門店つるぎの屋までご相談下さい。
銃砲刀剣類登録証の確認
刀剣の売買には、銃砲刀剣類登録証(登録証)が必要となります。 初めに、登録証があるかどうかご確認ください。銃砲刀剣類所持等取締法に基づき、刀剣の運搬・売買等には銃砲刀剣類登録証の携行が義務化されています。登録証は刀剣の美術的価値があるものに対して交付されるもので、日本国政府が認めた刀剣の戸籍のようなものです。登録証の交付された刀剣は文化庁で美術品・骨董品として価値あるものとして認められたことを意味します。 登録証が見つからない場合は、もう一度よく探してみてください。どうしても登録証が見つからない場合は、新規登録や再交付となります。 最初の発見届については、お客様ご自身で手続きを行っていただく必要があります。その後の、登録手続きについては当店がお客様の代理人として代行を することが可能です。再交付・登録証訂正・現物確認などの手続きついても代行させていだけます。初めての方やご多忙の方に代わって登録手続き等を代行しま す。原則として新規登録代行は東京都のみとなっておりますが、近隣の神奈川県・埼玉県・千葉県につきましても、まずはご相談ください。また、再交付・登録証訂正・現物確認などの手続きについては、東京都での代理審査となりますので全国の都道府県の代行が可能となっております。 ※ 登録審査手数料:新規登録が6,300円、再交付が3,500円については、お客様で実費をご負担ください。審査結果が登録できず「不可通知書」の交付であっても返却されません。また、審査結果が「登録不要」であることが判明した場合も返却されません。
※ 審査終了後にご売却いただける場合は、審査手続き代行の手数料は無料となります。
※ 買取させていただいた刀剣の登録証は、当店で各都道府県教育委員会に照会し、店主の名前で名義変更させていただきます。お客様で名義変更を行っていただく必要はありません。
鑑定書取得の必要性
登録証と違い刀剣は鑑定書が無くても売買は可能です。もちろん、当店でも鑑定書が無い刀剣も買取させていただいております。鑑定書が無くても、店主が鑑定させていただき「正真のものは正真」として相応のお値段で買取させていただきます。売却方法にもよりますが、業者交換会(オークション)に代理出品を希望される場合は、鑑定証がついていた方が高値となる傾向があります。ただし、鑑定証を取得するには、審査期間に2~3ヶ月、審査費用は25,000~円がかかります。当店では刀剣審査の代行も行っておりますのでご不明な点につきましてはお問い合わせ下さい。
(公)日本美術刀剣保存協会(刀剣博物館)に おいて審査を行い鑑定書を発行しています。保存・特別保存審査を刀剣は1・3・5・7・11月に、刀装具・刀装は2・4・6・10・12月の土・日・祝祭 日を除いた平日が3日間連続する期間に受付を行っております。また、9月には重要刀剣審査が行われ、隔年で4月に特別重要刀剣審査が行われております。
※ 審査費用については、お客様で実費でご負担下さい。または、ご売却時にお支払金額から審査費用を差し引かせていただきます。
※ 審査終了後にご売却いただける場合は、審査手続き代行の手数料は無料となります。
(公)日本美術刀剣保存協会 (刀剣博物館)
東京都渋谷区代々木4丁目25-10
TEL:03-6284-1000
売却時の状態
どんな状態のお品物でも買取いたします。刀剣の場合、大きなキズや深い錆があっても、銃砲刀剣類登録証が付いていれば買取いたします。ただし、もし、審査申請を希望される場合は、刃切れがあるものは審査に不合格となりますし、全体が錆びているものや刃先に錆があるものも刃切れの確認が出来ないので審査対象外となります。刀剣には登録証の他にも拵え・鐔などの装剣小道具・刀箱・鑑定書・折紙・由緒書などの付属品がある場合があります。それらは、品物の価値を高める可能性がありますので一緒にお持ちください。お客様のなかには、錆びてしまっている刀剣を研磨してから、売却を希望される方もいらっしゃいますが、そのままの状態でお持ちくださった方が骨董用語の「初ぶ」さがあります。綺麗に磨いたりしてしまうとよりも、錆びやホコリもあった方が年月が経った時代の証しとなります。また、研磨代は決して安くありませんので、もし、研磨を行ったとして売却価格に全ての研磨代が反映しない場合もあります。それぞれの刀剣にあった研磨を行う必要がありますので事前にご相談いただきますようお願いいたします。
売却希望刀剣の相場
美術品ですので、刃長・刃文・年代・状態などによって、同じ刀工でも価格は大きく異なってきます。刀剣の相場は、業者交換会(オークション)における相場は需要と供給のバランスによって形成されます。相場は傾向として大きな変化は少ないですが、半年~1年くらいで20%くらいは変化することもあります。当店では、月間でいくつもの業者交換会(オークション)に出席して、常に最新の相場を熟知しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。
同じ作家でも、刃長・刃文・年代・状態などにより値段は大きく異なります。刃長でいえば、まず、2尺(60.6cm)以上であるかによって、刀と脇指に分けられて当然ながら短い脇指よりも長い刀の方が高額になります。刀であれば定寸の2尺3寸(約70.0cm)以上と2尺から2尺1寸(60.6~64.0cm)、脇指でも大脇指の1尺8寸(約54.5cm)と1尺5寸(約45.4cm)であれば長いもの方が高くなる傾向があります。ただし、これらはあくまで一例で刀剣は時代によって長さに変化がありますから一概にはいえない場合もあります。また、刃文については、その刀工の代表的な刃文であるかによっても異なってきます。越前守助広であれば濤瀾刃に代表される乱刃、肥前の初代忠吉や近江大掾忠廣であれば直刃が人気があります。状態による錆や欠点である傷は無い方が良いです。
売却方法
・なるべく早く現金化したい場合
・可能なかぎり高値で売却を希望する場合
・時間的に余裕がある場合
【 なるべく早く現金化したい場合 】
・刀剣商の買取は、基本的に即現金化することができます。
・業者交換会(オークション)への代理出品は、週に1回は必ず行われています。タイミングがあえば翌日~数日に現金化が可能です。
【 可能なかぎり高値で売却を希望する場合 】
それぞれの品物により、向き・不向きがあります
・月内のうちで、品物がもっとも向く業者交換会(オークション)に出品する。
・数ヶ月以内にある業者交換会(オークション)の大会に出品する。
・鑑定書を取得してから売却、または業者交換会(オークション)に出品する。
【 時間的に余裕がある場合 】
・鑑定書を取得してから売却、または業者交換会(オークション)に出品する。
・委託販売に預けて、当店のお客様に売却する。(3ヶ月~1年)
さいごに
刀剣に限らず骨董品は製作された年代が古いものでは数百年に及びます。鎌倉時代の刀剣であれば700年以上前ということになります。ひとりの人が、その刀を所持する期間は長くても30年ではないでしょうか。700年というと数十人から場合によっては100に余る人々が所持していました。もし、そのなかの1人でも欠けることなく、全ての人々が大切に受け継いでこなければ、その刀は現存しなかったかもしれません。そんなことも、骨董品も含めた刀剣の魅力ではありますが、多くの人々が受け継いできた品々を、次に大切に受け継いでいただける方にお届けするのがわれわれ刀剣商の重要な仕事です。ぜひ、私達つるぎの屋にお客様の大切な刀剣を世に送り出すお手伝いをさせていただければ幸いです。