肥前国住陸奥守忠吉

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No.F00273

白鞘  金着二重時代肥後ハバキ

     売 約 済

刃長 : 72.6cm  (2尺3寸9分) 反り : 1.7cm  (6分)

元幅 : 3.0cm 先幅 : 2.1cm 元重 : 0.65cm 先重 : 0.45cm

登録証

福岡県教育委員会

平成22年11月18日

: 肥前国 (佐賀県・長崎県)

時代 : 江戸時代中期 寛文頃 1661-1672年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成27年02月05日

肥前国住陸奥守忠吉

形状

刃文

帽子

彫物

鎬造、庵棟、身幅尋常、重ねやや厚く、平肉豊かにつき、反りつき、中鋒となる。

小板目肌よくつみ、地沸細かにつき、地景盛んに入り、潤いある肌合いを呈す。

互の目と浅いのたれを交互に焼き、足よく入り、匂深く、小沸よくつき、金筋入り、砂流しかかり、匂口明るく冴える。

直ぐに小丸に返り、先掃きかける。

生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目勝手上がり、目釘孔一。

説明

 陸奥守忠吉は近江大掾忠広の嫡子で、本家三代目を継いでいる。忠吉襲名は、土佐守忠吉歿後、土佐守家が本家に忠吉を返上したためである。万治3年に陸奥大掾を受領、翌寛文元年には陸奥守に転じ、貞享3年、父二代忠広に先立つこと7年、50歳で歿している。作品が比較的少ないのは、作刀期間が割合に短かったことと併せて、父の代作に任じていたためであろう。作風は父よりもむしろ祖父の初代忠吉に近く、直刃を最も得意としている。

 この刀は、身巾尋常にて、重ねやや厚く、平肉豊かにつき、寸法やや延び、頃合いに反りがあり、中鋒の美しい美しい打刀姿である。重量感がありいかに健全であるかを物語っている。地鉄は、小板目肌よく約み、地沸細かにつき、盛んに地景入り潤いあのある強靱な肌合いをなす。刃文は小沸出来にて匂口の最も明るく冴え、互の目を5〜6個づつかたより、間に浅いのたれ刃で繋いだ初代の志津写しの意を継いだ刃文を焼いている。この刃文は二代:近江大掾忠広の初期作にも見られ、初代から三代まで得意として焼いた刃文の一つでもある。陸奥守忠吉の刃文は直刃の他に足長丁子、互の目乱れなどがあるが、本刀の様に志津写しの刀も稀にみられる。この刀は銘振りから三代忠吉の延宝年間の円熟期の作にて、正にその本領を遺憾なく発揮されており、地刃共に健全で、中心の保存状態も極めて良く、志津写しの傑作といえる名品である。

備考

新刀 上々作

最上大業物

肥前国住陸奥守忠吉
肥前国住陸奥守忠吉
肥前国住陸奥守忠吉
肥前国住陸奥守忠吉

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