珍 品 | |
保存刀剣 NBTHK Hozon Paper |
No.F00113 |
(附) 茶変塗鞘打刀拵 白鞘 銀着一重ハバキ |
売 約 済 |
刃長 : 75.4cm (2尺4寸9分弱) 反り : 2.6cm (7分半) 元幅 : 2.9cm 先幅 : 1.75cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.5cm |
登録証 : 岐阜県教育委員会 平成11年04月15日 |
国 : 備前国 (岡山県-南東部) 時代 : 江戸時代後期 弘化四年 1847年 |
鑑定書 : (公)日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書 平成21年07月08日 |
銘 : 横山加賀介藤原朝臣祐永 友成五十七代孫 (菊紋)一 備陽長船士 弘化四年二月日 |
|
形状 :
鍛 : 刃文 :
帽子 : 彫物 :
茎 : 鎬造、庵棟、身幅尋常にて、重ね厚く、長寸、先反りつき、元先の幅差あり、中鋒の優美な太刀姿。 小板目肌つみ、地沸つき、地景入り、物打ち辺淡く映り立つ。 腰元に霊峰富士を見事に焼き、その上は中程まで横山一派独特の華やかな茶花丁子にて、足よく入り、先直刃となり、表裏共によく揃い、匂勝ちにわずかに小沸つき、匂い口締まりごころとなる。 直ぐに大丸風となり返り深く、やや沸づき先掃きかける。 表に棒樋に添樋を丸留、下に爪の彫を力強く刻す。裏に中程に梵字、長めの素剣、爪を重ね彫りにする。 生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔一。 |
|
拵 : 鐔 :
柄 : 縁頭 :
目貫 : 茶変塗鞘打刀拵 総長 : 105.0cm 紅葉図、於多福木瓜形、赤銅磨地、毛彫、金平象嵌、銀縄目覆輪、無銘 高さ:6.7cm 幅:5.7cm 厚さ:0.6cm 白鮫着、御納戸色糸巻。長さ:24.6cm 流水に白鷺図、赤銅魚子地、高彫、金銀象嵌色絵、無銘 高さ:3.8cm 幅:2.2cm 二匹寅図、赤銅地容彫、金色絵、無銘 |
|
説明 : 備前国長船の故地には、新刀期より横山一派が栄え、連錦を飾り新々刀期を経て明治の廃刀令まで続く。初代:祐永は自ら「友成五十六代孫」と銘し、嘉永4年に、57歳にて没している。この刀は銘文に「友成五十七代孫」と銘していることより二代:祐永の作であり、弘化4年は、二代:祐永の最初期作にあたるもので誠に貴重である。そして、「友成五十六代孫」祐包と連錦が続く。 この刀は、太刀を想わせる優美な姿に、地鉄は小板目肌がつみ、淡く映りが立っている。刃文は、元に富士を見事に焼き、その上は中程まで横山一派が得意とする茶花丁子乱れを焼き、その上は一転して静謐な趣きある直刃を焼いている。上半・下半で直刃と乱刃を焼くのは、古刀期には、備前祐定、伊勢村正、関兼房など、新刀期には、越前康継、肥前忠吉、三品一派、肥後守輝広、浜部一派、そして備前横山一派などの派に経眼される。本作は、同じ備前国長船の地で古刀期に活躍した与三左衛門尉祐定を写したものと推察され、元に富士を焼いているのは祐永のアレンジによるものであろうか。古刀・新刀期を通じて、上半・下半で直刃と乱刃を焼くのは、全て一流の刀工達のみに限られており、それは上下で異なる刃文を焼くには相当の技倆が必要不可欠であったとおもわれる。本作も高度な難しい刃文に一分の乱れもなく見事に焼きあげており、祐永の技倆の高さを窺わせる優品でコンディションも良好である。 製作当時のものとおもわれる茶変塗鞘打刀拵が附帯するのも好ましい。 |
|
備考 : 新々刀 上作。
白鞘新規 気になるほどではありませんが、刃先に数カ所わずかな小錆、ヒケがみられます。 |