松軒元興

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

柴田光男先生(喘喜堂)鑑定書 Mr.Mitsuo Shibata

No. F00058

(附) 黒呂色塗鞘合口拵

白鞘  金着一重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 12.0cm  (4寸) 反り : 内反り

元幅 : 1.5cm 元重 : 1.65cm

登録証

福島県教育委員会

昭和32年04月15日

: 岩代国 (福島県-西部)

時代 : 江戸時代末期 文久二年 1868年

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成05年02月25日

松軒作

文久二年八月日

形状

 

刃文

帽子

冠落造、庵棟、細身、やや重ね厚く、寸詰まり、内反りにて、誠に可愛らしい嫁入り短刀姿である。

小板目肌よく錬れてつみ、地沸細かにつき、地景入り、美しい肌合いを呈す。

のたれ調に互の目交じり、足入り、匂やや深く、小沸よくつき、砂流し入、匂口明るい。

小丸に浅く返る。

生ぶ、先入山、鑢目大筋違に化粧つく、目釘孔一。

目貫

栗形

黒呂色塗鞘合口拵 総長 : 20.8cm

根引松図、赤銅地、容彫、金銀色絵、無銘

銀地に桜花を二重にし、丸い環を付けている。

説明

松軒元興は、角大八元興の孫にあたり、角大助と称す。父:角大治秀国は26歳で早世の為、祖父の銘を襲う。作刀の技術は初め、道辰ら会津刀工から学んだものと思われ、また、安政4年、会津藩松平家からの預かり弟子として七代:石堂運寿是一に入門する。是一との合作もみられる。安政6年、入道して「松軒」と号す。慶応2年7月、「大和守」を受領、同時に名を父祖と同じく「秀国」と改める。明治24年3月、80歳にて没す。松軒元興は名工揃いの会津刀工のなかでも特に上手として知られ、異彩を放っている。

幕末の動乱の中、会津藩主:松平容保公が京都守護職に就任し、会津藩兵を率いて京都の治安回復のため上洛する。松軒元興も会津十一代和泉守兼定らと同じく上洛し、京都にて多くの会津藩士や新選組隊士の帯刀を作刀した京打ちがみられる。新選組の局長:近藤勇、副長:土方歳三の佩刀のなかにも「大和守秀国」銘の刀があったと伝えられる。

この嫁入り短刀は、四寸と小振りながら、姿形もよく、地鉄は小板目がよくつみ、刃紋も匂口が明るいなどの優れた出来口を示している。研磨の状態も良く、当時の拵も趣がある。

備考

新々刀 上々作。

松軒元興1
松軒元興2
松軒元興3
松軒元興4

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