保存刀装具 NBTHK Hozon Paper |
No.B00141 |
桐箱 |
売 約 済 |
竪長さ : 6.5cm 横長さ : 5.9cm 耳の厚さ : 0.3cm |
画題 : 家紋散図 |
国 : 薩摩国 (鹿児島県-西部) 時代 : 江戸時代後期 |
鑑定書 : (公)日本美術刀剣保存協会 保存刀装具鑑定書 平成26年10月31日 |
銘 : (無銘) 薩摩 |
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縦丸形、四分一石目地、据紋象嵌色絵、小透、角耳小肉 |
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説明 : 薩摩鐔は、多くが小振りなものとなっているが、これには示現流が大きく影響しているといわれている。示現流の特徴は、まず機先を制するという点にあり、敵の刀もろとも叩き斬るといった果敢な剣法である。その為、示現流には返し業というものがなく、敵刃を防ぐための鐔などは一切不要ということで、同派の使い手たちは、好んで小鐔を用いた。 薩摩鐔は上下に並ぶ小孔があいたものを散見する。これは細紐を通して鞘の区rかたに結びつけるための孔である。示現流では、「刀は抜くものにあらず、針金をもって鞘に結びつけよ。止むを得ず抜いた場合には、一刀のもとに敵を倒すべし」と教えているため、示現流の門弟たちは小孔をあけた鐔を用いた。 鐔の材料としては、鉄がもっとも多く用いられ、他に赤銅、四分一、なかには金無垢のものもある。薩摩金工界の二大流派は小田系と知識系があり、ほかに島津家では石黒政美や斎藤富随のような江戸金工も召し抱えていた。 本作は、薩摩鐔の掟通りに小振りな一枚で、四分一石目地に縦に小孔を透し、表裏に「桔梗紋」と「違い鷹の羽紋」を金・銀・赤銅にて華やかにみせている。薩摩鐔には、島津家の「丸に十字紋」のほかにも、まま家紋の図柄がみられ、それらは殆どが無銘となっている。鉄地のものとは一味違った豪華なもので、おそらくは、石黒政美らが製作を行い、上級武士が用いたものであろうか。 |