珠貝

保存刀装具 NBTHK Hozon Paper

No.B00044

桐箱

      売 約 済

竪長さ : 8.4cm   横長さ : 7.8cm  耳の厚さ : 0.5cm

画題

鳳龍図

: 中国 広東省 または 肥前国長崎 (長崎県)

時代 : 江戸時代中期

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀装具鑑定書

平成21年04月30日

(銀象嵌銘) 珠貝

 

八角形、鉄地、鋤出彫、金銀布目象嵌、鋤残土手耳、両櫃孔(片赤銅埋)

説明

鐔の中で、南蛮鐔は比較的に多く現存している。これは、江戸時代の武士達にいかに人気があったかを裏付ける証でもある。ところで、南蛮鐔は次のように大きく三つに分類することができる。

 

・ 南蛮人が佩用していた洋剣につけられていた鐔を刀用に直したもの。これは極めて少ない。

・ 清国、及び南方諸国から、日本刀にかける鐔として製作され輸入されたと思われる鐔、或いは清国から工人を長崎に連れてきて製作された鐔。これも数は比較的少ない。

・ 上記のものを模して日本の各地で造られた模造品。この鐔が、最も多く遺されているものである。

 

この鐔は、表の切羽台左側に銀象嵌で「珠貝」と作者名が入っている。金工辞典(若山泡沫:著)によれば「珠貝(しゅがい):金象嵌の二字銘で南蛮風の鐔を造る。中国人か。江戸中期」とあり、清国、或いは日本の長崎にて製作を行っていた中国人の金工と思量される。

本作は、大振りで重ねやや厚く、八角形、やや幅の広い鋤残土手耳には上部に大きく羽ばたく鳥を耳にかけて金銀象嵌で仕上げ、表裏に蔦を銀唐草と金の布目象嵌で飾っている。表面の図は、鳳凰を右側に阿形で、左側に龍を吽形の形で、下部に波を鋤出彫にて金銀象嵌であらわしている。裏面は、鳳凰と龍を阿吽の形を逆にしてあらわしている。彫口が緻密で図柄が豪華であり、象嵌の欠落がほとんどなく、完璧な状態でのこされており、加えて在銘は極めて貴重といえる。

 

珠貝1
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