昭和六十二年新作名刀展 努力賞作品 |
No.A00342 |
白鞘 金着二重ハバキ |
売 約 済 |
刃長 : 85.6cm (2尺8寸4分) 反り : 1.8cm (6分) 元幅 : 3.2cm 先幅 : 2.8cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.65cm |
登録証 : 徳島県教育委員会 昭和62年08月19日 |
国 : 徳島県 時代 : 現代 昭和62年 1987年 |
鑑定書 : |
銘 : 阿波国正俊造之 昭和六十二年三月日 |
|
形状 :
鍛 : 刃文 :
帽子 : 彫物 : 茎 : 鎬造(中程から上の鎬地の肉を削ぐ)、庵棟、身幅広め、元先の幅差少なく、身幅の割に鎬幅狭く、反り浅く、先反りごころつき、大鋒一段と延びる。 板目つみ、総体に柾がかり、地沸つき、地景よく入る。 小のたれ調に互の目・小互の目・丁子風の刃・角張った刃など交じり、上部は一段と焼きが高く華やかに乱れ、足入り、匂深く、小沸よくつき、処々、沸強く荒沸風となり、肌にからみて金筋入り・砂流し幾重にもかかり、刃縁に湯走り・打ちのけなど交え、匂口明るい。 浅く乱れ込みに小丸に短く返り、先掃きかける。 表裏に薙刀に添樋を丸留する。 生ぶ、先栗尻、鑢目筋違、目釘孔一。 |
|
説明 : 杉山正俊刀匠は、本名を杉山俊雄といい、昭和2年に生まれる。鍛刀の技を杉山正友師、河内国平師に学び、竜眼子と号す。新作名刀展に努力賞など多数受賞し、徳島県無形文化財保持者となり徳島県吉野川市に在住する。 2尺8寸4分(85.6cm)に及ぶ長大な刀で、鎬造(中程から上の鎬地の肉を削ぐ)、庵棟、身幅広め、元先の幅差少なく、身幅の割に鎬幅狭く、反り浅く、先反りごころつき、大鋒一段と延びるといった、ちょうど南北朝時代の大薙刀を直したような姿形を呈す。地鉄は、板目が、総じて柾がかり、刃文は、互の目・小互の目・丁子風の刃・角張った刃などが複雑に乱れ、小沸つき、刃肌がからみ、金筋入り・砂流し幾重にもかかり、刃縁に湯走り・打ちのけなど交え、匂口明るいなどの出来口を示している。このような姿は新々刀期にも経眼され、山浦清麿が好んで焼いており、他には一門の栗原信秀などにも見受けられる。本作も杉山正俊刀匠が幕末の名工:山浦清麿の作に啓発され、その写しに挑んだ意欲作と推察される。おそらくは、姿形や茎の鎬筋の線なども忠実に写している点などから山浦清麿の嘉永3年の作をモデルとしたものであろう。長寸に大鋒の姿に、様々な刃が複雑に乱れ、刃中が良く働いており、姿と相まって迫力が感ぜられる。昭和62年、新作名刀展において努力賞を獲得した作品となっており、研磨・ハバキ・白鞘などのコンディションが良好であることも好ましい。 |
|
備考 : 中程の表裏にわずかに縦ヒケがみられます。 |