大野義光

無鑑査 Mukansa

No.A00336

白鞘  金着二重ハバキ

大野義光重花丁子の世界 所載

      参 考 品

刃長 : 71.2cm  (2尺3寸5分) 反り : 2.3cm  (7分5厘)

元幅 : 3.3cm 先幅 : 2.6cm 元重 : 0.65cm 先重 : 0.55cm

登録証

東京都教育委員会

平成03年05月14日

: 東京都

時代 : 現代 平成3年 1991年

鑑定書

於越後国義光作之

切物自灯庵

平成三年春吉祥日

形状

 

刃文

 

帽子

彫物

 

鎬造、庵棟、身幅広く、重ね尋常に、元先の幅差少なく、先反り浅めにつき、鎬高く、中鋒延びる。

小板目肌つみ、地沸つき、地景入り、淡く映り立つ。

下部は焼きをやや低めにし、その上はのたれ調に、丁子、小丁字、互の目などを交え、足よく入り、匂勝ちにわずかに小沸つき、細かに砂流しかかる。

乱れ込み、表は小さく小丸に返り、裏は尖って返り、先掃きかける。

表裏に棒樋を丸留めし、その下に表は、草の倶利伽羅を肉彫し、裏は「八幡大菩薩」の文字を陰刻する。

生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔一。

説明

 大野義光刀匠は、昭和23年10月16日に新潟県西蒲原郡に生まれ、本名を吉川三男という。日本大学農獣医学部に入学し、学生時代より日本刀に興味を持ち、昭和44年に、吉原義人・吉原荘二刀匠らの鍛錬所で日本刀の製作の道に入る。昭和55年、文化庁より「美術刀剣類製作承認」を受け、刀匠となり、同年、新作名刀展に初出品する。昭和51年、新潟県黒崎町に鍛錬所を設けて独立する。昭和57年より62年まで、高松宮賞、文化庁長官賞の特賞を6回連続受賞し、昭和62年に無鑑査認定となる。昭和59年、伊勢神宮第61回式年遷宮の御神刀を謹作する。作風は、備前伝を得意とし、「大野丁子」と呼称される華やかな重花丁子乱れを焼く。就中、上杉家に伝来した名物「山鳥毛」(国宝)を写したものは国内外で高い評価を得ている。

 本作は「大野義光重花丁子の世界」にNo.24として所載している。加島進先生が解説されており、「末備前物の特色として、刃文には、互の目が割れていわゆる蟹の爪乱れのものや広直刃、大湾れ、皆焼などがある。この刀は、やや長寸で、幅広く、重ねが厚く、先反りがつき、鍛えはやや肌立って小沸がつき、刃文は湾れに丁子、互の目を交え、小足がしきりに入り、葉入る。匂口は総体にしずみごころとなる。表裏に棒樋、表は草の倶利伽羅、裏は八幡大菩薩の文字を彫る。この刀は末備前の名工、与三左衛門尉祐定の一作風を示したものでよくまとめている。彫物は、苔口仙e師の手になるもので、彫法は雄渾で、刀身によく調和している。」

 大野刀匠の作刀にあたってコメントとして、「元の刃文を低く、長く焼き出す刃取りのリズム(この逆もあり)は、戦国時代の刀工により作り出されました。これまでの刀には無かった感覚であります。」

備考

無鑑査。

 

 

大野義光重花丁子の世界 所載 No.24

「二十四、 太刀 銘 於越後国義光作之 切物自灯庵 平成三年春吉祥日

長さ 2尺3寸5分(71.2cm) 反り 7分5厘(2.3cm)」

 

研ぎ:小此木岳志師

ハバキ:中村才道師

白鞘:坂井俊文師

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