筑前信国吉包

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No.A00255

(附) 黒呂色塗鞘打刀拵

白鞘  銀無垢二重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 68.4cm  (2尺2寸6分) 反り : 2.0cm  (5分半)

元幅 : 3.0cm 先幅 : 2.2cm 元重 : 0.75cm 先重 : 0.55cm

登録証

東京都教育委員会

昭和26年03月05日

: 筑前国 (福岡県-北西部)

時代 : 江戸時代中期 天和頃 1681-1683年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

昭和60年08月02日

筑前住源信国吉包

形状

刃文

 

帽子

鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常に、先反りつき、中鋒延びこころとなる。

板目、総じて柾がかり、地沸厚くつき、地景よく入る。

互の目に、小互の目・小のたれ風の刃などを交え、中程より上の刃を一段と高く焼き、足入り、匂深く、小沸よくつき、金筋入り、砂流しかかる。

直ぐに小丸に返り、先掃きかける。

生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔一。

 

縁頭

 

目貫

黒呂色塗鞘打刀拵 総長 : 100.0cm

勝ち虫に草花図、木瓜形、鉄地、地透、金銀象嵌色絵、両櫃孔、耳唐草草象嵌

山城国重義作(と銘がある) 高さ:8.3cm 幅:7.7cm 厚さ:0.5cm

白鮫着、黒糸柄巻。長さ:23.8cm

葡萄図、赤銅磨地、高彫、金銀象嵌色絵、無銘

高さ:3.8cm 幅:2.1cm

梅に牛図、赤銅地容彫、金色絵

草花図、山鉄地、魚子地、高彫、金色絵、無銘 長さ:21.0cm

説明

 新刀期に入って、信国一派は黒田家の抱え鍛冶として活躍するが、その始祖ともいうべき工が信国吉貞(吉定)である。彼は黒田長政の招きに応じて豊前から筑前博多に移住し、以後、一派は同地に於て代々家督を継承して大いに繁栄し、数多くの優れた刀工を輩出している。中でもその代表的な鍛冶としては、前期の吉貞を筆頭に、初・二代の吉政・吉次・吉包・重包(正包)等が挙げられる。なお一派は新刀期からは、信国を姓として「信国何某」と名乗るのが通例である。この派の作風は、互の目主調の乱れ刃や、互の目に小のたれを交えたもの、のたれ刃、稀に直刃などがあるが、それと同時に、この派独特の丁子乱れの作域も少なからず見受けられる。

 吉包は吉次(初代吉政の弟)の子で、助左衞門と称し、享保6年、御浜御殿の鍛刀で、薩摩の一平安代・主水正正清と共に、一葉葵紋を茎にきることを許された重包(正包同人)の父として知られている。彼は元禄6年、重包21歳の歳に歿している。

 本作は、身幅尋常、先反りがよくついた打刀姿に、地鉄は、板目が総体に柾となり、地沸が厚くつく。刃文は、互の目に小のたれ風の刃・小互の目などを交え、小沸が良くつき、匂口が明るく、刃中に砂流しなどがよく働いている。一見すると隣国:肥前刀の上作にみえるものであるが、地鉄に柾が顕著になる点などが相違する。信国一派の技倆の高さが窺い知れる優品といえる。

備考

新刀 上作。

筑前信国吉包1
筑前信国吉包2
筑前信国吉包3
筑前信国吉包4
筑前信国吉包5
筑前信国吉包6
筑前信国吉包7
筑前信国吉包8
筑前信国吉包9
筑前信国吉包10
筑前信国吉包11
筑前信国吉包12

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