保存刀剣 NBTHK Hozon Paper |
No.A00236 |
白鞘 素銅一重ハバキ |
売 約 済 |
刃長 : 35.6cm (1尺1寸7分強) 反り : 0.9cm (2分) 元幅 : 3.45cm 先幅 : 2.85cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.5cm |
登録証 : 大分県教育委員会 昭和39年01月310日 |
国 : 薩摩国 (鹿児島県-西部) 時代 : 江戸時代後期 文政頃 1818-1829年 |
鑑定書 : (公)日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書 平成23年01月28日 |
銘 : 波平行周 (新々刀) |
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形状 : 鍛 : 刃文 :
帽子 : 茎 : 鎬造、庵棟、身幅殊に広く、重ね厚めとなり、先反りつき、中鋒延びる。 板目よくつみ、刃寄りわずかに柾がかり、地沸厚くつき、潤いがある。 広直刃、上にいくにしたがい刃幅を増し、少しく、小互の目交じり、小足入り、匂深く、小沸よくつき、砂流しかかる。 直ぐ調に表はやや乱れ、裏は直ぐに小丸に返り、先掃きかける。 生ぶ、先栗尻、鑢目檜垣、目釘孔一。 |
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説明 : 波平鍛冶は、薩摩国谷山郡波平の地に中世より近世末にかけて連錦として鍛冶を輩出し栄えており、土地の名を流派名としている。波平行周は六十一代行充の長男にして、四郎右衛門行周といい嫡家:坂ノ上波平の六十一代にあたる。初銘は、行高、後に安行と称し、文政3年に没している。 本作は、身幅が殊に広く、中鋒が延びた如何にも薩摩刀らしい体配を呈していおり迫力がある。地鉄は、よく錬れて地沸が厚くつき、鉄に潤いが感ぜられ、刃寄りに柾がわずかに看取されるのは波平である所以であろう。刃文は、広直刃を基調に上にいくにしたがい徐々に刃幅を増し、小互の目を少しく交え、小沸がよくつき、刃中細かな砂流しがかかり、匂口が明るく、一見すると、一平安代を想わせる良脇指である。茎の朽ち込みのみ惜しまれるが、薩摩鍛冶の刀をみるに茎が傷んだものが比較的に多く見られ、これは薩摩鍛冶が使用していた原材料である鉄が塩分を多く含んでいた為という説がある。 余談ながら、「波平」は読んで字のごとく「なみがひららか」で海に縁起が良いとし、明治・大正・昭和の海軍将校に人気があり、海軍軍刀拵・海軍短剣に波平鍛冶の刀剣を仕込んで戦地に赴いたという逸話がある。当時は、「薩摩の海軍、長州の陸軍」ということもあり、海軍には薩摩藩(鹿児島県)出身者も多く、郷土の波平鍛冶の刀剣が好まれたのであろう。 |
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備考 : 新々刀 中上作。
古研ぎの為、薄錆・ヒケがみられます。 茎に朽ち込みがみられます。 白鞘は古いもののため、少し傷みがあります。 |