山口清房

無鑑査 Mukansa

No.A00231

白鞘 佐藤寒山先生鞘書

金着二重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 71.2cm  (2尺3寸5分) 反り : 3.0cm  (9分)

元幅 : 3.2cm 先幅 : 2.3cm 元重 : 0.75cm 先重 : 0.5cm

登録証

岩手県教育委員会

昭和49年05月20日

: 岩手県

時代 : 現代 昭和49年 1974年

鑑定書

盛岡住人山口清房作之

昭和甲寅歳二月日

形状

 

刃文

 

帽子

鎬造、庵棟、身幅広めに、重ね厚く、腰反りつき、踏ん張りごころがあり、中鋒詰まりごころの猪首風となり、鎌倉時代の太刀姿を写す。

小板目肌よくつみ、地沸微塵に厚く敷き、地景入る。

大丁子乱れ、重花・大房など交じり、足・葉よく入り、焼高く華やかにて、匂い口しまりごころに、小沸よくつき、砂流しかかり、わずかに鎬地・棟を焼き、匂い口明るく冴える。

乱れ込み小丸に返り、先掃きかける。

生ぶ、先栗尻、鑢目筋違に化粧つく、目釘孔一。

説明

 山口清房刀匠は、本名を山口武といい、昭和7年12月4日に岩手県に生まれる。石川県の人間国宝:隅谷正峯氏に師事し、昭和44年に作刀認可を得て、独立後は岩手県盛岡市で鍛刀する。「新作名刀展」において数多くの特賞を受賞し、昭和61年に無鑑査に認定される。作風は、師:隅谷正峯氏と同じく古作:一文字の華やか丁子乱れを理想とし、隅谷正峯氏は「隅谷丁子」と呼ばれる華麗な重花丁子乱れの備前伝を完成し、山口刀匠もそれをよく踏襲している。他に同じ隅谷一門には、瀬戸吉廣氏、広木弘邦氏、宮入法廣氏、安達義昭氏らがいる。

 本作は、身幅が広めに、元先の幅差が少なく、腰反りが高くつき、踏ん張りごころが感ぜられ、中鋒がやや詰まりごころの猪首風に結ぶ鎌倉時代中期頃の豪壮なる太刀姿を再現している。地鉄は、小板目肌が極めてよくつみ、地沸が微塵に厚く、精良な地鉄となるも無地風とはならず味わいがある。刃文は、隅谷正峯氏を彷彿とさせる焼きの高い華麗なる「隅谷丁子」を見事にあらわし、さらにはそれを一分の破綻もなく焼き上げて、匂口が明るいことも特筆される。さすがに隅谷一門の高弟である山口清房刀匠の優品である。

備考

無鑑査。

 

佐藤寒山先生鞘書

「盛岡住人山口清房作 昭和甲虎年二月日紀有之 丁子乱見事之一文字写シ 刃長二尺三寸五分有之 昭和五十一年春弥生吉日 寒山誌(花押)」

山口清房1
山口清房2
山口清房3
山口清房4
山口清房5

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