堀川国安

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

No.A00215

白鞘  金着二重ハバキ

     参 考 品

刃長 : 71.0cm  (2尺3寸4分弱) 反り : 1.4cm  (4分)

元幅 : 3.1cm 先幅 : 2.6cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.5cm

登録証

東京都教育委員会

平成14年07月09日

: 山城国 (京都府-南部)

時代 : 江戸時代初期 元和頃 1615-1623年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成14年08月01日

(無銘) 堀川国安

形状

 

 

刃文

 

 

帽子

彫物

表:切刃造、裏:鎬造、三ツ棟、身幅広めに、重ねやや厚く、元先の幅差少なく、反りつき、大鋒。

板目に杢交じり、総体に肌立ち、地沸厚くつき、地景入り、ザングリとした肌合いを呈し、区下より水影が立つ。

浅いのたれ調に互の目・小互の目交じり、物打ち辺よりやや焼幅広く、横手下に大きな互の目を交え、足入り、沸よくつき、総体に叢立ち、砂流しかかり、匂口沈みごころとなる。

焼深く、乱れ込み、やや大丸風に返り、先掃きかける。

表:梵字、剣巻龍、梵字を重ね彫りし、裏:梵字に護摩箸を掻き流す。

生ぶ、先切、鑢目筋違、目釘孔二中一埋。

説明

 堀川国安については、「田中家系図」によれば、通称を三郎太夫と称し、国広の末弟となっている。作品が比較的に少ないのは、彼の作風・茎仕立て及び銘振りなどが国広に酷似していることと考え併わせて、おそらく国広の代作に任じていたためと思われる。銘字は必ず二字銘にきり、受領銘はない。一門中、鑢目が逆筋違(逆大筋違)となるところが同工の大きな見どころである。

 本作は、一見すると茎などから大磨上無銘とみえるが、区際より水影が表裏に立っている点から、生ぶの刀である。姿から慶長新刀、堀川物独特のザングリとした肌合いの中でも特に顕著となるものが国安であり、匂口がやや沈みごころとなるところも国安の特徴でもある。片切刃造は慶長期に流行をみるが、越前康継をはじめ越前新刀は裏側が切刃造、一方、堀川物は表側が切刃造となる傾向が多い。倶利伽羅の彫物も刀身とよく調和しており、当時のものと思量される。

 無銘であることのみが惜しまれるが、古作:相州上工の彦四郎貞宗、志津三郎兼氏に切刃造があるので、そちらに紛れていたものであろうか。仮に国安の在銘であれば、重要刀剣の中にあっても上位の部類に入る程の力を秘めた優れた出来映えを示しており、刀身が極めて健全であることも好ましい。

備考

新刀 上々作。

大業物。

 

棟にわずかに薄錆がみられます。

堀川国安1
堀川国安2
堀川国安3
堀川国安4
堀川国安5

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