吉原義人

無鑑査 Mukansa

No.A00191

白鞘  金着二重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 72.8cm  (2尺4寸) 反り : 2.2cm  (7分)

元幅 : 0.35cm 元重 : 0.8cm

登録証

東京都教育委員会

昭和59年07月26日

: 東京都

時代 : 現代 昭和59年 1984年

鑑定書

義人彫同作 (吉原義人)

昭和甲子歳五月日

形状

刃文

 

帽子

彫物

平造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、先反りよくつき、美しい姿形を呈す。

板目、杢を交え、総じて柾がかり、肌立ちごころに、地沸厚くつき、地景入る。

逆丁子乱れ、焼き高く華やかにて、逆足・葉よく入り、匂深く、匂い勝ちに小沸つき、金筋入り、砂流しかかり、明るく冴える。

焼き深く、乱れ込み、尖って返り、先掃きかける。

表:腰元に「白虎」、裏:同じく腰元に「宇宙一視」の文字を陰刻する。

生ぶ、先栗尻、鑢目筋違、目釘孔一。

説明

 吉原義人刀匠は、昭和18年2月21日に生まれ、祖父に吉原国家(初代)氏、弟に吉原荘二国家(二代)氏、子に吉原義一氏がおり、まさに刀鍛冶の一族に生まれ吉原一門の名は刀剣界に名高いものとなっている。昭和47年より、新作名刀展において高松宮賞など上位の特賞を受賞し、昭和57年、無鑑査に認定される。平成16年、東京都指定無形文化財保持者に認定される。その作風は備前伝を得意とし、備前伝の最も困難なテーマとされる「映りを鮮やかに再現し、日本刀備前伝ブームの先駆けとなった。日本の刀匠で唯一人、メトロポリタン美術館、ボストン美術館に短刀が買い上げられている。現在、世界各国の美術館から作刀のデモンストレーションの要請を受け、日本のみのとどまらず国際的な活躍をみせている。また、アメリカに鍛錬所を3ヶ所設けるなど刀剣文化の普及にも尽力している。持ち前の器用さと相俟って、彫技も巧みであり独特の龍、雨龍、白虎などを自身で彫られている。指導者としても、弟子に大野義光氏、久保善博氏ら多くの優秀な刀匠を育成する。長きに亘り常に刀剣界の第一線で活躍され、今後の活躍がますます期待される実力・人気ともに最高峰の刀匠である。

 本作は、2尺4寸(72.8cm)の長寸ながら、平造で製作されている。この種の平造打刀の形態は古くは鎌倉時代に粟田口国吉に「鳴狐」と名号のある作品が知られるが、比較的に散見するのは南北朝期であり、備前の長船兼光の「水神切」などの他に大宮盛景、小反りの重弘、吉井景則らに類例がある。この刀は、身幅広く、重ねが厚く、ズシリと手持ちがあり、先反りがよくつき、美しい姿形をしめす。地鉄は、板目、杢を交え、総じて柾がかり、肌立ちごころに、地沸厚くつき、地景入り、無地風とはならずに変化が感ぜられる。刃文は、南北朝期の青江次直を彷彿とさせる逆丁子乱れを焼き高く華やかにして、刃中に足・葉がよく入り、金筋・砂流しなどが働いている。通常ある鎬地の部分がないので、平地の全てをキャンバスとして画面いっぱいに華やかな逆丁子乱れを描き、豪壮なる姿とともに迫力ある。腰元には、吉原義人刀匠が自身で彫られた独特な緩やかな曲線の「白虎」、「宇宙一視」の文字がある。これだけ華やかな丁子乱れながら一分の破綻もなく見事に焼き上げ、また、彫技も美事であり、その技倆の高さには感嘆するばかりである。

備考

東京都指定無形文化財保持者

無鑑査

文化庁重要文化財専門審議委員

日本刀剣保存協会新作名刀展審査委員

吉原義人1
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