珍 品 | |
保存刀剣 NBTHK Hozon Paper 保存刀装具 NBTHK Hozon Paper |
No.A00189 |
(附) 生漆塗鹿角一作角所脇指拵 白鞘 銀無垢一重ハバキ 「城下町佐倉の名刀展」展示・図録掲載品 |
売 約 済 |
刃長 : 46.8cm (1尺5寸4分) 反り : 1.0cm (3分) 元幅 : 3.3cm 元重 : 0.6cm |
登録証 : 埼玉県教育委員会 平成03年09月19日 |
国 : 下総国 (千葉県-北部・茨城県-西部) 時代 : 江戸時代後期 寛政頃 1789-1800年頃 |
鑑定書 : (公)日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書 平成14年08月01日 保存刀装具鑑定書 平成15年02月21日 |
銘 : (刀身銘)佐倉家臣藤原政吉於洛陽造之 |
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形状 :
鍛 : 刃文 :
帽子 : 彫物 : 茎 : 表:平造・裏:切刃造、丸棟、身幅広め、重ねやや厚く、寸延び、わずかに先反りつき、棟が引き回し用の鋸状(約35.0cm)となる。 板目、杢交じり、肌立ちごころとなり、地沸つき、地景入る。 表は、広直刃わずかにのたれごころを帯び、裏は、のたれ刃焼幅広く、匂深く、小沸よくつき、刃中に砂流しかかる。 表は、小丸に返りやや深く、裏は、たるみ込み、小丸に返り、深く焼き下げる。 裏、ハバキ元に刀身銘がある。 生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目筋違、目釘孔一。 |
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拵 : 角所 目貫 : 小柄 :
鐔 : 生漆塗鹿角一作角所脇指拵 総長 : 72.5cm 鹿角製、枯木文、鋤彫、黒漆、無銘 通草(あけび)図、山金容彫、金銀色絵、無銘(古金工) ※ 後補 鹿角製、枯木文、鋤彫、黒漆、無銘 長さ:9.6cm 幅:1.4cm 竪木瓜形、、枯木文、鋤彫、黒漆、角耳小肉、片櫃孔、銘 龍玉(花押) 竪長さ:7.0cm 横長さ:4.8cm 耳の厚さ:0.8cm |
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説明 : 政吉は、本名を黒田源兵衛といい、二代:黒田鷹ェ(正吉)の父であり、下総国佐倉藩16代藩主:堀田相模守正順公のお抱え刀工である。堀田正順公は、天明7年に大阪城代、寛政4から10年まで京都所司代を勤めており、政吉もそれに同行したものと思われ、「佐倉家臣藤原政吉於洛陽造之 寛政九年二月日」の刀が遺されている。寛政10年、藩主の帰藩に従うが、下総国佐倉の地には居を構えず、享和元年には、子の源之進正吉と江戸にて同居する。文政3年3月には、子の正吉の鍛冶修行につき、築地の堀田家中屋敷内に稽古所を建てたという記録が残っている。 異風な造込みで、表を平造、裏を切刃造にて、銘を刀身銘に入れたものは、まま阿波の海部刀に見受けられるが、棟を鋸状に仕立てたものは初見である。例えば、小刀や大小刀などで棟に鋸を入れたものは稀にあるものの、この様に、脇指の棟を鋸状としたものは、まさに、珍品中の珍品といえる。銘文中の「於洛陽」とは、中国の都である洛陽を指し、日本における京の都を意味するもので、政吉の京打ちであることがわかる。附属の拵が、生漆塗り鹿角一作であることから、堀田正順公が在京中に、京都周辺の神社において神事用として使用されたものと推察される。 |
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備考 : 「城下町佐倉の名刀展」の図録(コピー)が附属します。
棟が、鋸状となっておりますので、白鞘の鯉口が少し削れています。刀身を鞘から抜き差しする際はご注意ください。 刀身に、わずかにヒケがみられます。 保存刀装具鑑定書(平成15年2月)では、「目貫 欠」となっております。目貫は、それ以後に後補したものです。 |