下原照重

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

No.A00152

白鞘  素銅一重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 51.0cm  (1尺6寸8分強) 反り : 1.4cm  (4分半)

元幅 : 2.65cm 先幅 : 2.1cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.45cm

登録証

東京都教育委員会

平成21年05月12日

: 武蔵国 (東京都・埼玉県・神奈川-東部)

時代 : 室町時代後期 天正頃 1573-1591年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成21年08月12日

(無銘) 下原照重

形状

 

刃文

 

帽子

彫物

鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常に、浅く反りつき、中鋒延びごころとなる。

板目に、小杢目を交え、総体に肌立ち、柾がながれ、地沸つき、地景入り、鉄色が黒みがかり、いわゆる下原一派独特の如輪杢状の肌合いとなる。

互の目にのたれ交じり、足入り、小沸つき、総じてムラとなり、少しく砂流しかかり、匂口沈みごころとなる。

のたれ込み、大丸ごころに返り、先わずかに掃きかける。

表:倶利伽羅を肉彫し、裏:櫃内に大黒天を浮彫する。

生ぶ、たなご腹風となる、先切り(元来は栗尻)、鑢切り、目釘孔二。

説明

下原派は室町末期に武州八王子において栄え、以後江戸末期に及んでいる。

下原照重は、康重と共に下原鍛治の双璧ともいえる代表刀工の一人であり、他に周重・広重などがいる。下原派の中にあって彫物の名人であり、その作刀の多くには簡素ながら梵字など、または、やや異風で濃密な真の倶利伽羅・草の倶利伽羅・不動明王などが見受けらる。

本作は、無銘ながら「下原照重」に極められた品で、地鉄には下原派特有の杢をよく交えた「如輪杢」の状をあらわし、刃文にも互の目を2ツ、3ツ、2ツ、3ツと連れて焼き、匂口やや沈みごころとなるなどの下原鍛冶の特徴を示している。特筆すべきは彫物であり、深い鏨で独特な彫り口で表には真の倶利伽羅、裏には櫃内に大黒天を彫っている。下原の倶利伽羅は龍の尾が最後に巻き上げるのが特徴であり、また、大黒天の彫りは初見であり資料的にも貴重といえる。やや異風ながら、どことなく愛嬌があり面白い。茎もややたなご腹風になっており、下原鍛冶の雰囲気がある。

極めも通常の「下原」のみでなく、濃密な彫物があるので下原鍛冶の中でも彫物の名人である「下原照重」の個銘に極まっている。

 

※ 下原照重の在銘の作品については 【刀 武州下原住照重】 を参考ください。

備考

業物。

 

部分的にわずかに薄錆・ヒケがあります。

 
下原照重1
下原照重2
下原照重3
下原照重4

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