近江守忠綱(初代)

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No.A00121

こげ茶変塗鞘合口脇指拵 金着二重ハバキ

  売約済

刃長 : 51.2cm  (1尺6寸9分) 反り : 1.6cm  (5分)

元幅 : 3.0cm 先幅 : 2.1cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.5cm

登録証

東京都教育委員会

昭和41年09月01日

: 摂津国 (大阪府-北西部、兵庫県-南東部)

時代 : 江戸時代中期 万治頃 1658-1660年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

平成05年03月12日

粟田口近江守忠綱(初代)

以地鉄鍛作之

形状

 

刃文

帽子

彫物

鎬造、庵棟、身幅尋常にて、重ねやや厚く、平肉豊かにつき、元先の幅差あり、先反りつき、中鋒となる。

板目つみ、杢交じり、地沸つき、地景入り、潤いのある肌合いとなる。

互の目に丁子交じり、乱れ、足長く入り、小沸つき、砂流し二重・三重にかかる。

直ぐに品良く小丸に返り、先掃きかける。

表裏に棒樋を掻き流す。

生ぶ、先やや急な刃上がり栗尻、鑢目大筋違、目釘孔一、表に長銘、裏に鍛銘がある。

目貫

小柄

こげ茶変塗鞘合口脇指拵 総長 : 93.4cm

白鮫着。長さ:17.0cm

鎧大袖図、赤銅地容彫、金色絵、無銘

梅図、赤銅槌目地、金色絵 縦:9.4cm 横:1.4cm

説明

初代:近江守忠綱は、本国が山城国粟田口にして、慶長十四年に生まれる。浅井姓、初め「近江大掾」、後に「近江守」を受領、初期には、播磨国姫路にても打つ。寛永十四年頃より作刀がみられ、寛永二十年頃に官位を受領、慶安元年には大阪に移住していたようである。子に、出藍の誉れ高い二代:一竿子忠綱をはじめ摂津守忠行、近江守忠光、正綱がおり、弟子に、長綱、包綱、広綱、吉綱などがいる。二代:一竿子忠綱との銘の判別は「粟」の字に大きな違いがあり容易である。

作風は、初期のものに石堂風の丁子刃で小沸がつき足の入ったものであるが、やがて「足長丁子」といわれる焼頭の揃った長く足の入った作風となっていく。二代:一竿子忠綱と違い彫物はあまりみられない。

本作の裏銘にみられる「以地鉄鍛作之」は、刀工が「鋼」を使用せずに、「地鉄」を卸して作った場合にこのような銘文がみられる。類例では、津田越前守助広は「以地鉄研(おろし)造之」、丹波守照門は「以地鉄粹(おろし)造之」などと添銘している。要するに自家製鉄の入念な材料を用いて作刀したという意味と、刀工自身の研究熱心さを示すものであり、商品価値を高める意識があったのであろう。本脇指は、添銘の通り、初代:忠綱自身が会心作と認める出来の傑出した一振りにて、刃中の働きも見事である。尚、研磨・保存状態もすこぶる良い。

備考

新刀 上作。

業物。

 

この商品には白鞘は附帯しません。

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