特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper |
No.A00074 |
(附) 黒呂色塗鞘半太刀拵 白鞘 金着一重ハバキ |
売約済 |
刃長 : 76.8cm (2尺5寸3分強) 反り : 2.2cm (7分) 元幅 : 3.05cm 先幅 : 1.7cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.4cm |
登録証 : 大阪府教育委員会 昭和28年06月16日 |
国 : 武蔵国 (東京都・埼玉県・神奈川-東部) 時代 : 江戸時代後期 文政元年 1818年 |
鑑定書 : (公)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀剣鑑定書 平成20年03月19日 |
銘 : 出羽国住人大慶庄司直胤(花押) 文政元年仲秋 そで乃雪 佐藤重矩帯 |
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形状 :
鍛 :
刃文 :
帽子 : 茎 : 鎬造、庵棟、身幅広く、先にいってやや狭くなり、先反り高く、腰元に踏ん張りつき、小鋒に結ぶ優美な太刀姿となる。 小板目肌よくつみ、精美な肌合いとなり、地沸つき、地景入り、焼け映り状の乱映り風よくたつ。 片落ち互の目を主張に、処々角張った刃・尖り刃など交じり、総体に逆がかり、逆足長く入り、匂本位に小沸つき、細かに砂流し入り、物打ち辺を中心に全体に焼頭の上に小さな飛焼き風を交え、一種「焼け映り」風に繋がる。 乱れ込み、先小丸に返り、先さかんに掃きかけ火焔風となる。 生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目大筋違化粧つく、目釘孔二。 |
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拵 : 鐔 :
柄 : 金具 : 目貫 : 黒呂色塗鞘半太刀拵 総長 : 110.4cm 変わり木瓜形、赤銅槌目地、両櫃、無銘 高さ:7.3cm 幅:6.4cm 厚さ:0.3cm 白鮫着、黒糸平巻。長さ:25.0cm 赤銅魚子地小べり、無銘 花籠図、赤銅容彫、金色絵 |
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説明 : 大慶直胤は、安永7年に出羽国山形に生まれ、本名を庄司(荘司)箕兵衛(美濃兵衛)と称し、大慶と号した。文政4年頃に筑前大掾を受領し、嘉永元年に上洛して美濃介に転じている。彼は若年の折に江戸に出て、水心子正秀の門に入り、後に師:正秀同様に秋元家に仕え、細川正義と共に水心子門下の双璧となった。水心子入門の時期については明らかではないが、彼が23歳の時の作刀に「庄司直胤 寛政十三年正月日」の銘のあることから、これより2、3年前の寛政11、12年頃と推察され、文化初年頃に独立したと考えられる。安政4年5月7日、79歳で歿している。 50年以上の長い作刀期間があり、技量的にも師:正秀を凌駕し、師:正秀が晩年に唱えた復古論を実践し、世に広めたのは実際には直胤であるといわれている。現に、新々刀期の刀工で重要美術品を輩出したのは僅かに四工であり、山浦清麿:4振、大慶直胤:3振、左行秀:2振り、水心子正秀:1振のみとなっており、その技量の高さを物語っている。持ち前の器用さと鋭敏な感覚、長期の作刀期間、生涯で二度におよぶ材料の鉄研究等の旅に意欲的に出ている探求心などの為、作風は広範囲にわたり五ケ伝の山城伝・大和伝・相州伝・備前伝・美濃伝の全てに通じるのは、直胤の他にはあまり思い浮かばない。なかでも、備前伝・相州伝を最も得意としている。彼の作品は造込み・茎仕立て・刃文・彫物・銘文なども当時から洗煉されており如何にも洒落ているものが多い。 本作は、長寸で優美な太刀姿に、地鉄は精美にして映りがよくたち、刃文は片落ち互の目を焼き、古作-備前景光写しであり、出来も優れている。茎の状態も良好である。 彼の代表作である重要美術品三点の内、文化十二年紀-杉原軍記正包、弘化五年紀-鷹司政通太政殿下副作は備前伝であり、天保五年紀は相州伝となっている。備前伝では文化十二年紀-杉原軍記正包、相州伝では天保五年紀のものが各々の最高傑作と目されている。 重要美術品に認定されている文化十二年紀の杉原軍記正包の注文打ちは、直胤37才の作で、本作同様に片落ち互の目を主調にした備前景光写しである。三年後の文政元年は、直胤40才の作で、正に直胤の男盛りの時期にあたり、備前伝の作はこの頃のものがもっとも出来が優れている。 裏銘の草書に切られている「そでの雪」は、斬れ味の良さを現したもので、「袖の雪の如く、軽く払えば、パラリと落ちる程に斬れ味が素晴らしい」ことを意味している。同様の表現句に「笹ノ露」「籠釣瓶」「朝嵐」などがある。 所持者銘の「佐藤重矩」については、安永二年の記録に「御勘定」の役職にその名がみられ、勘定所に務めた役人で旗本であったと推察される。 当時の黒呂色塗鞘半太刀拵が附帯していることも好ましい。 |
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備考 : 新々刀 最上作。 上研磨済み 指表:区上13cm、指裏:区上3cmの刃中に気になるほどではありませんが小傷があります。 |
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<大慶直胤 備前伝の作例>
刀 出羽国大慶庄司直胤(花押) (重要美術品) 文化十二乙猪年仲秋 応杉原軍記正包望造之 長さ:2尺2寸9分 |