保存刀剣 NBTHK Hozon Paper |
No. A00071 |
白鞘 素銅太刀ハバキ |
売約済 |
刃長 : 63.7cm (2尺1寸) 反り : 1.4cm (5分) 元幅 : 3.1cm 先幅 : 2.1cm 元重 : 0.75cm 先重 : 0.55cm |
登録証 : 三重県教育委員会 昭和29年04月01日 |
国 : 摂津国 (大阪府-北西部・兵庫県-南東部) 時代 : 江戸時代中期 延宝頃 1673-1681年 |
鑑定書 : (公)日本美術刀剣保存協会 保存刀剣鑑定書 平成15年02月21日 |
銘 : 摂津住(以下切)(康永) |
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形状 :
鍛 : 刃文 :
帽子 : 茎 : 鎬造、庵棟、身幅尋常、重ねやや厚く、反り浅くつき、中鋒となる。磨上げながら手持ちズシリと重い。 小板目肌よくつみ、地沸微塵につき、乱れ映り鮮明に立つ。 丁子乱れに互の目・角がかった刃・小丁子・小互の目など交じり、足・刃よく入り、華やかに乱れ、匂勝ちでしまりごころとなり、匂口明るい。 直ぐ調にわずかにのたれ、小丸に返る。 磨上げ(約5.5cm)、先切となり丸みを帯びる、鑢目(旧)大筋違化粧つく、(新)勝手下がり、目釘孔二。第二目釘孔下に「摂津住」の字あり、「住」の中程より以下切れる。 |
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説明 : 河内守康永は、八左衛門と称し、紀州石堂派の備中守康広の門に学び、のち紀州から大坂に移り、大阪石堂派の一人となり、河内守を受領している。「出藍の誉れ」高い大坂石堂を代表する名工:多々良長幸の師匠としても康永は広く知られている。作風は、石堂派の御家芸ともいうべき備前伝で、映りの立った鍛えに、丁子乱れを得意として焼いている。 この刀は、師:備中守康広に見紛う華やかな丁子乱れを焼いているが、刃の形が些か小模様となるところなどが看取される点に、同派・同工の見どころが窺われる。同作中の優品で、本作は康永の初期作であるが、彼の初期の作品に於いても、この刀が示すように、優れた技量を持ち合わせていたことが理解される。河内守康永の本領を遺憾なく発揮された一振で、彼の初期の作域を知る上でも資料的に貴重である。磨上げと、それに伴う銘切れのみ惜しまれるが、新刀の磨上げにもかかわらず手持ちがズシリと重く健全であることが窺い知れる。尚、同工の重要刀剣指定品は第44回に唯一の指定があり、本作とも銘振りなどがよく似ており参考していただきたい。 また、研磨が画像でもおわかるいただける様に、現代の一般的な手法である「刃取り研ぎ」ではなく、旧来の手法である「差し込み研ぎ」によるもので、非常に状態が良い為に多少の小錆やヒケが見られるものの、そのままの状態で掲載させていただいた。備前伝で、特に刀そのものに力のあるものは「刃取り研ぎ」よりも「差し込み研ぎ」の方が刀本来の刃文がよく映えると一般にいわれている。本作も新刀にもかかわらず乱れ映りが鮮明に立つ点などは「差し込み研ぎ」による研磨の状態が良いものと思量される。 |
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備考 : 新刀 中上作。 業物。 鞘書きに、「摂津住 長二尺一寸一分」 刃先の数カ所に小錆、全体に細かいヒケがみられます。 |