直江志津

保存刀剣 NBTHK Hozon Paper

No. A00068

(附) 黒呂色塗鞘脇指合口拵

白鞘  金着二重ハバキ

  売約済

刃長 : 49.0cm  (1尺6寸1分強) 反り : 1.0cm  (3分)

元幅 : 3.0cm 先幅 : 2.8cm 元重 : 0.4cm 先重 : 0.3cm

登録証

和歌山県教育委員会

昭和57年09月21日

: 美濃国 (岐阜県-南部)

時代 : 南北朝時代 1336-1392年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

保存刀剣鑑定書

平成16年08月09日

(無銘) 伝直江志津

形状

刃文

帽子

鎬造、庵棟、身幅広く、元先の幅差少なく、重ね薄く、大鋒となる豪壮な姿。

板目に、杢を交え、刃・棟寄りは柾となり、肌立ちごころに、地沸つき、地景入る。

浅い小のたれを主調に互の目・小互の目交じり、足入り、小沸よくつき、砂流しかかる。

直ぐ調に浅くのたれ小丸、先掃きかける。

大磨上、先切、鑢目勝手下がり、目釘孔一。

目貫

黒呂色塗鞘合口脇指拵 総長 : 72.0cm

長さ:17.0cm

波濤図、赤銅魚子地、高彫、高さ:4.1cm 幅:2.4cm

藻に桶図、赤銅地容彫、金うっとり色絵

波濤に樋定規図、赤銅波紋地、高彫 長さ:22.15cm 肩幅:1.3cm

説明

美濃国志津の地に、正宗十哲の一人に数えられる兼氏が来住して一派は栄えたが、のちに門人である兼友・兼次・兼重・兼信らは、同国直江に移住して作刀したため、彼らを一括して直江志津と総称している。

この脇指は大磨上無銘ながら、直江志津と鑑せられるもので、地刃が健やかで、板目が流れて地沸を厚く敷き地景が入り、刃文は小のたれ調に互の目・小互の目交じえた、おっとりとした刃取りをあらわし、砂流しが細かにかかり、帽子は浅くのたれ掃きかけている。総じてゆったりとした作風は直江志津の一典型であり、地刃ともに健全である。

元来は、南北朝時代の3尺に近い大太刀のものと思われ、迫力ある大鋒が古の豪壮な姿を彷彿させる。

拵は、鞘は黒呂色塗り、表に笄がつく。柄は黒塗鮫を着せて黒糸平巻きに漆がかかっている。目貫は赤銅地に金うっとり色絵とし、柄の形は立鼓形の太い丸柄となる。鐔のつかない合口脇指拵で上杉家には、この形式の鐔のない合口打刀拵が何口か存在する。この手の拵は、上杉家以外には殆ど類を見ないもので上杉謙信公好みの拵と伝えられている。類例では、上杉景勝公の御手撰三十五腰の太刀:一(姫鶴一文字)・太刀:無銘一文字(山鳥毛)・太刀:長光(高木長光)などに附帯する合口打刀拵が広く世に知られており、合口脇指拵では、上杉謙信公が古河公方より拝領した脇指:相州広光に附帯するものなどが確認されている。この拵は、20数年前に数寄者の要望により鞘氏:平戸高一名人が製作したものである。地味ではあるが、雅味のある格調高い一品となっている。

備考

上研磨済。

指表、ハバキ上15cm程の鎬寄りに肌立ちごころのところがあります。

直江志津
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