出羽大掾国路

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No. A00037

(附) 茶変塗鞘時代脇指拵

白鞘  金着一重ハバキ

     売 約 済

刃長 : 45.0cm  (1尺4寸8分強) 反り : 1.0cm  (6分)

元幅 : 2.9cm 先幅 : 2.3cm 元重 : 0.65cm 先重 : 0.5cm

登録証

大阪府教育委員会

昭和31年04月10日

: 山城国 (京都府-南部)

時代 : 江戸時代初期 元和頃 1615-1624年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

平成17年08月17日

出羽大掾藤原国路

形状

 

刃文

 

帽子

鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常にて、反りが浅くつき、中鋒延びた慶長新刀期の姿の良い脇指姿。

板目、肌立ちごころに、地沸つき、地景入り、ザングリとする。

互の目に、小互の目・角張る刃、小のたれ風の刃、少しく尖りごころの刃など交じり、足入り、匂深く、小沸よくつき、金筋入り、砂流しよくかかる。

のたれ込み、小丸尖りごころに返り、先掃きかける。

生ぶ、先栗尻、鑢目大筋違い、目釘孔一。

 

縁頭

目貫

小柄

茶変塗鞘時代脇指拵 総長 : 71.2cm

葡萄図、堅丸形、赤胴魚子地、高彫、金象嵌色絵、無銘(古金工)三枚合わせ

高さ:6.7cm 幅:6.0cm 厚さ:0.4cm

長さ:17.8cm

波に松毬図、赤銅魚子地、高彫、象嵌色絵、高さ:3.8cm 幅:2.2cm

松図、赤銅地容彫、金色絵

瑞雲に麒麟図、赤銅魚子地、高彫、金象嵌色絵、裏金色絵 縦:9.7cm 横:1.5cm

説明

出羽大掾国路は堀川国広の高足の一人で、慶長十八年三月以降、同二十年三月以前の間に「出羽大掾」を受領したと思われる。同作には、のたれ込んで先の尖った、いわゆる三品風の帽子が多いことや、銘字に於いて、その初期には「国路」と道の字を用いたこと、また、晩年には「来」を冠しているものなどがあることから三品家と何らかの関係があったともと推測される。彼の作刀に見る年紀で最も古いものは慶長十三年紀であり、寛文二年紀が最終である。作風は備前伝以外は各伝を上手にこなしており、国広門下中随一の器用人であり、就中、相州伝が最も得意で志津や左文字に私淑している。

国路の通常見られる作風は、地鉄はもっと柾が顕著にして、やや肌立ち、刃文も出入りが激しく、やや逆がかり、尖り刃が目立ち、沸も叢だった烈しいものとなる。しかし、本作は地鉄に殆ど柾が目立たずに、精美にして、刃文も叢沸や尖り刃が目立たず、互の目に匂口の深く小沸のよくついた刃文を焼いている。もし鑑定するならば同じ堀川一門の越後守国儔・河内守国助(初代)・和泉守国貞(初代)などに見てしまいそうであり、まるで大阪新刀を見るような通常の国路の烈しい作風とは一味違う優しい出来口を示している。

銘振りから元和年間の製作と思われ、彼の技量がいかんなく発揮された会心の一振である。

備考

新刀 上々作。

業物。

出羽大掾国路
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