近江守継平

特別保存刀剣 NBTHK Tokubetsu Hozon Paper

No. A00008

白鞘  真鍮ハバキ

      売 約 済

刃長 : 71.6cm  (2尺3寸6分) 反り : 1.5cm  (5分)

元幅 : 3.1cm 先幅 : 2.1cm 元重 : 0.8cm 先重 : 0.4cm

登録証

群馬県教育委員会

昭和46年09月03日

: 武蔵国 (東京都・埼玉県・神奈川-東部)

時代 : 江戸時代中期 天明頃 1781-1788年頃

鑑定書

(公)日本美術刀剣保存協会

特別保存刀剣鑑定書

平成18年04月07日

近江守藤原継平造(年代天明頃)

試之物則易々乎若振稿 不可不夙於武夫之側

形状

 

刃文

 

帽子

鎬造、丸棟、身幅尋常にして、元先の幅差つき、反り浅くつき、中鋒となる。

板目、総体に柾がかり、処々流れ、肌立ちごころとなり、地沸つき、部分的に叢だち、地景太く入り、鉄色黒みがかる。

浅くのたれごころを帯びた中直刃を基調に、互の目交じり、足入り、小沸よくつき、やや叢沸風となり、砂流し・打ちのけなど幾重にもかかり、飛焼をさかんに交える。

直ぐに小丸に返り、先掃きかける。

生ぶ、鑢目勝手下がり、先栗尻、目釘孔一。

説明

江戸の刀工:近江守継平は、元来、越前下坂派の出であり、康継の「継」の字を冠したその名は同名四代継承され、各代とも、主に直刃を得意として比較的多くの作品を残している。また、中でも二代:継平は、八代将軍吉宗治政時の享保2年に、徳川将軍家の蔵刀を描いた刀絵図を作成し、これは「継平押形」と呼ばれ著名である。

初代:継平は藤田与兵衛と号し、安永8年本の「新刀弁疑」では同工は越前出身で、二代:康継の門下となり江戸に出府した、との旨が記されている。時代:寛文頃。

二代:藤田与右衛門と号し、時代:元禄・享保頃。

三代:藤田与四郎と号し、宝暦頃。

四代:継平は「古今鍛冶備考」によれば、藤田与四郎と号し、明和・安永の作多し、と記されている。また、安永年間に書かれた「新刀弁疑」には、同書が書き記された時期と同時代に作刀された、草書名に切られた安永年紀の継平の押形を掲載しており、同書はその中で、「今の継平は四代目」であると記している。四代:継平存命中に書かれたその記述は信憑性が高く、このことから草書名の継平は四代とする説が現在では有力とされている。

本刀は前述の通り、流暢な草書名に切られた四代:近江守継平の優品である。初代から四代にわたり墨守された直刃を破綻なく焼いており、また、刃中には細かな砂流し・湯走りなどの働きが幾重にもみられ見事である。同工に限らず、丸棟のものは少ない。

「試之物則易々乎若振稿 不可不夙於武夫之側」と切られた漢文調の銘文は、その切れ味を評したものであろうか。

 

※ 二代:継平著の継平押型については 【継平押形-附本阿弥光徳同光温押形集】 を参考ください。

備考

新々刀 中上作

 

中程にわずかに刃こぼれがあります。

部分的に薄錆・ヒケがみられます。

近江守継平1
近江守継平2
近江守継平3

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