商品詳細

大刀剣市 カタログ掲載品

刀 粟田口近江守忠綱 元禄十二二年八月吉日
  (新々刀上々作)(良業物)

Katana [Awadakuchi Ikkanshi Tadatsuna]
第10回重要刀剣
NBTHK Jyuyo Paper No.10
No. F00141
白鞘 田野辺探山先生鞘書 金着一重ハバキ
日本刀大鑑 所載

刃長 : 75.8cm (2尺5寸5厘) 反り : 2.8cm (8分弱)

元幅 : 3.4cm 先幅 : 2.5cm 元重 : 0.85cm 先重 : 0.6cm

登録証:

千葉県教育委員会
昭和26年03月21日
国: 摂津国 (大阪府-北西部・兵庫県-南東部)
時代: 江戸時代中期 元禄14年 1701年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
重要刀剣指定書
昭和38年03月10日
銘: 粟田口近江守忠綱
元禄十二二年八月吉日
形状 : 鎬造、三ツ棟、身幅広く、重ね厚めに、元先の幅差少なく、長寸にて、先反りよくつき、中鋒の延びた豪壮な姿を呈す。
鍛 : 小板目よくつみ、処々肌立ちごころに、地沸微塵に厚くつき、地景入る。
刃文 : 元を直ぐに長めに焼出し、その上は丁子を主調に互の目・小互の目交じり、焼き高く華やかにして、総体に足長く入り、匂深く、小沸厚くつき、金筋入り、砂流し長くかかり、刃縁に湯走り状の飛焼を交え、明るく冴える。
帽子 : 直ぐに品よく小丸に返り、先掃きかける。
彫物 : 表裏に棒樋・添樋を丸留めにする。
茎 : 生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目筋違に化粧つく、目釘孔三中一埋。

説明:

粟田口近江守忠綱は初代:近江守忠綱の子で、後に二代目を継ぎ、「一竿子」と号した。忠綱の作風は、初代同様に焼頭のよく揃った足の長い丁子乱れ、互の目乱れや濤欄刃風の乱れ、さらには直刃・浅いのたれ刃なども焼いている。また彫物を得意としており、刀身にその物を損ねることなく、よく調和している。

 本作は、二尺五寸を優に超える長刀にて、鋒が大きく延びた豪壮な姿となり迫力が感ぜられる。地鉄は、大阪新刀特有の小板目肌のよくつんだ肌合いに、地沸を微塵に厚く敷き誠に美事である。刃文は、初・二代:忠綱の得意とした「足長丁子」が鎬に近いほどに焼きが高く、華やか乱れ、沸が細かに厚くつき、刃中に金筋・砂流しがよく働き、匂口が明るく冴えた優れた出来映えを示している。一見すると豪壮なる姿と手持ちの重さが相俟って、新々刀ではないかと感ぜられる程の豪刀で、大変に健全なことも特筆される。二代:忠綱の力量を遺憾なく発揮した「足長丁子」の代表的な優品といえる。尚、二代:忠綱は元禄2年より「一竿子」と号すが、本作の様に「近江守忠綱」銘を併存させていたことは資料的にも貴重といえる。

備考:

新刀 上々作

良業物

 

田野辺探山先生鞘書

「第拾四回重要刀剣指定品 粟田口近江守忠綱

二代忠綱也 八字銘並ニ元禄拾四年紀有之 豪壮ナル姿態ニ同工得意ノ作域ナル足長丁子乱ヲ焼キ地鉄モ亦精妙而出色ノ出来映ヲ示シ加ウルニ活気横溢セリ此工元禄二年ヨリ一竿子ト号スガ本作ノ如キ近江守忠綱モ併存ス 珍々重々

刃長 二尺五寸余有之 惟時戊子暦弥生良宜日 探山辺道恭観并敬誌(花押)」

 

中程の棟(表側)に誉れ傷があります。

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