商品詳細
大刀剣市 カタログ掲載品 |
|||||||||||||
刀 美濃国御勝山麓住藤原永貞 文久三年八月於東都作之 Katana [Okachiyama Nagasada]
|
|||||||||||||
第50回重要刀剣 NBTHK Jyuyo Paper
|
No. F00135
|
||||||||||||
(附) 朱色塗鞘打刀拵
白鞘 金着二重ハバキ 新々刀大鑑 所載 |
|||||||||||||
刃長 : 77.3cm (2尺5寸4分) 反り : 1.5cm (5分) 元幅 : 3.3cm 先幅 : 2.45cm 元重 : 0.75cm 先重 : 0.55cm |
登録証: 愛知県教育委員会昭和26年04月05日 |
||||||||||||
|
鑑定書: (公)日本美術刀剣保存協会重要刀剣指定書 平成16年10月15日 |
||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
説明: 御勝山永貞は、本名を松井治一郎と称し、文化6年、美濃国不破郡(現在の岐阜県垂井町表佐一色四番屋敷)に松井直三郎の子として生まれた。彼は一時、紀州徳川家の御用鍛冶として紀州に移住したと伝えられ、また万延元年頃には伊勢国田丸においても鍛刀した。その後文久2年頃、江戸青山に住して作刀し、明治2年、61歳で歿したといわれる。なお銘文に見られる「御勝山」は表佐が北に位する地であり、その辺を「御勝山麓」といったものと思われる。 この刀は、身幅が広く、やや長寸にして、重ね厚で、大鋒の豪壮な体配を見せており、新々刀の特徴的な姿恰好を呈しているが、とりわけ、この作のように三ツ棟に造り込んでいるところに、この工の見どころが示されている。刃文は互の目乱れに大互の目・頭の丸い互の目等が交じり、華やかに乱れ、足・葉がさかんに入り、匂深で、沸が厚くつき、荒めの沸を交え、金筋・沸筋・砂流しがかかるなどの出来口をあらわしている。鍛えが明るく、焼刃は大模様に華やかに乱れ、沸が厚くつき、刃中もよく働いており、匂口が明るく冴えている点などが特筆される。上記の作風から、一見すると、清麿一門を想わせるものがあるが、刃文に、清麿一門によく見受けられる丁子がかった刃や角ばる互の目などは見られず、むしろ大互の目や頭の丸い互の目等が目につき、帽子も先が丸く返っているところなどに、清麿一門とは相違した同工の特色が窺われる。同作としては華やかな部類の作風で、大柄な作風と相俟って、迫力が感ぜられる。御勝山永貞の作例は、5振が重要刀剣の指定を受けている(※ 54回現在)が、本作は最も長寸であり、出来の優れた一口である。 附帯する朱色塗鞘打刀拵は、本刀の製作当時の拵と推察され、帯刀した武士の心意気が偲ばれる。 |
|||||||||||||
備考: 新々刀 中上作。 |