商品詳細

脇指 近江大掾藤原忠広(新刀上々作)(大業物)

Wakizashi [Ohmidaijyo Tadahiro]
特別保存刀剣
NBTHK Tokubetsu Hozon Paper
No. A00627
(附) 黒石目腰刻塗鞘脇指拵
白鞘 金着一重鎺
1,300,000

刃長 : 57.6cm(1尺9寸強) 反り : 1.6cm(4分8厘) 

元幅 : 3.1cm 先幅 : 2.2cm 元重 : 0.65cm 先重 : 0.5cm 

登録証:

石川県教育委員会
昭和39年11月2日
国: 肥前国 (佐賀県・長崎県)
時代: 江戸時代前期 慶安頃 1648-1651年頃

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
特別保存刀剣鑑定書
平成12年2月9日
銘: 近江大掾藤原忠広
形状 : 鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常に、反り浅くつき、中鋒となる。
鍛 : 板目よくつみ、地沸微塵につき、地景入る。
刃文 : 中直刃、浅くのたれごころを帯び、わずかに小足入り、匂深く、小沸よくつき、細かな砂流しかかり、明るく冴える。
帽子 : 直ぐに小丸に返り、先掃きかける。
彫物 : (なし)
茎 : 生ぶ、先入山、鑢目勝手下がり、目釘孔一。
拵 : 黒石目腰刻塗鞘脇指拵 総長 : 81.0cm
鐔 :

群馬図、長丸形、赤銅磨地、片櫃孔、無銘

高さ:7.0cm 幅:6.4cm 厚さ:0.3cm

柄 : 白鮫着、御納戸糸柄巻。長さ:20.2cm
縁頭 :

扇面に羊図、四分一槌目地、毛彫、無銘

高さ:3.8cm 幅:2.3cm

目貫 : 秋草図、赤銅容彫
小柄 : 養由基図、赤銅磨地、片切彫、宗珉(花押)(と銘がある) 縦:9.6cm 横:1.4cm
金具 : 扇面に羊図、四分一槌目地、毛彫

説明:

二代忠広は初代忠吉の嫡男で、父の死後、一族・門人たちの援助を得、努力を重ねて忠吉家を一段と隆盛に導き、肥前刀の名を高らしめた。長命で鍛刀期間は52年の長きに及び、新刀において、名刀の数ということであればこの人の右に出る工はいない。作風は直刃がお家芸であるが、直刃も、糸を引いた様に締まったのと、沸・匂いの深いものの二手があり、どちらも出来のよいものは魅力的であるが、本作は後者の方で、力ということであるならばこちらの刃文の方があるように思われる。

長さ・身巾のあるしっかりとした脇差で、重ねもつき普段のものより一回り大きい。地鉄、小板目がよくつみ、地沸が厚くつく肥前の小糠肌、まことに美しく仕上がる。刃文、中直刃で沸・匂いが深く、わずかにのたれごころを交え、匂いが刃中へと匂い込み、力があって美しい。帽子、直ぐに小丸、返り長め。肥前の名工である二代の近江大掾忠広の傑作の脇差である。力作で拵も作に見合ったたいへんよいものである。

備考:

新刀上々作

大業物

 

大塚岳泉翁鞘書

「近江大掾藤原忠広 長壱尺九寸有之 傑出せる出来之 昭和庚戌年睦月吉日 岳泉識誌(落款)

謹呈 大関君江 素箱島家ノ愛蔵刀八腰之壱之 昭和庚戌年文月吉日 大関家蔵」

 

柄糸の目釘孔の辺りに傷みがみられます

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