商品詳細

脇指 (刀身銘)正三位有功造并詠

Wakizashi [Chigusa Arikoto]
保存刀剣
NBTHK Hozon Paper
No. A00623
(附) 黒青貝変塗鞘脇指拵
白鞘 銀着一重鎺
360,000

刃長 : 37.0cm(1尺2寸2分強) 反り : 1.0cm(2分強) 

元幅 : 2.4cm 先幅 : 1.5cm 元重 : 0.4cm 先重 : 0.4cm 

登録証:

大阪府教育委員会
令和2年12月8日
国: 山城国 (京都府-南部)
時代: 江戸時代後期 嘉永頃 1848-1853年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
保存刀剣鑑定書
令和3年8月27日
銘: (刀身銘)
やきたちは さやにをさめて ますらをの
こころますます とくへかりけり 正三位有功造并詠
形状 : 鎬造、庵棟、身幅やや細く、重ね薄めに、反り浅くつき、中鋒延びごころとなる。
鍛 : 板目、地沸つき、地景入る。
刃文 :

直ぐに焼出し、その上は小互の目を連れて、足入り、匂本位に小沸つく。

帽子 : 直ぐに小丸に返り、先掃きかける。
彫物 : 表裏に刀身銘の文字を陰刻。
茎 : 生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔一。
拵 : 黒青貝変塗鞘脇指拵 総長 : 57.0cm
鐔 :

丸形、素銅地、耳赤銅覆輪、片櫃孔、無銘

高さ:5.9cm 幅:4.4cm 厚さ:0.4cm

柄 : 白鮫着、黒糸柄巻。長さ:15.0cm
縁頭 :

素銅磨地・赤銅魚子地、高彫、色絵、無銘(肥後風)

高さ:3.8cm 幅:2.0cm

目貫 : 千鳥に飛龍図、赤銅容彫、金色絵
小柄 : 芦苅文字図、素銅地 縦:9.4cm 横:1.3cm

説明:

有功は銘鑑では、幕末の公卿鍛冶。千種姓。有条次男。号を千々迺鶯蛙園・在琴など、仮称を橘蔭道といった。天保三年(1832)正三位に叙せられた。和歌は陳腐な堂上風にあきたらず、地下風を採り入れ、歌壇に一派をなした。余技として書画・茶道のほか、大堀寿秀や南海太郎朝尊を相手に、刀剣鍛錬にも手を伸ばした。刀身に自作の和歌「やきたちは さやにをさめて ますらをの こころますます とくへかりけり」と切ったものが多い。嘉永七年(1854)8月28日没、58歳。
刀身に彫られた、「やきたちは さやにをさめて ますらをの こころますます とくへかりけり」の和歌は、かなを漢字にすれば、「焼太刀刃 鞘に納めて 益荒男の 心益々 研ぐ可かりけり」であり、現代語訳すれば、「武士たるものは刀を鞘に納め、内面である心を研鑽すべきだ」という意味であろうか。当世の武士の精神訓を和歌にしている。
この脇指は、刀身銘の彫物も字体ひとつひとつが視認することができ、やや研ぎ減りも感ぜられるものの比較的に状態は良好となっている。千種有功の正真と認められる作品は世に少なく珍品といえるもので、附帯する黒青貝変塗鞘脇指拵も当時のものであろうことも好ましい。

備考:

新規白鞘・略ツナギ制作

 

指裏の鎺元にフクレと鍛え割れがみられます。

古研ぎため、指表の切先や中程などに部分的に薄錆があり、全体にヒケや擦れあります。

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