商品詳細

刀 安芸国三上貞直作之(花押) (無鑑査)

平成二十八年仲秋

Katana [Mikami Sadanao]
無鑑査
Mukansa
No. A00618
(附) 黒革包鞘柳生拵
白鞘 銀無垢一重鎺

刃長 : 70.2cm(2尺3寸1分) 反り : 1.3cm(4分) 

元幅 : 3.3cm 先幅 : 2.8cm 元重 : 0.7cm 先重 : 0.55cm 

登録証:

広島県教育委員会
平成28年12月14日
国: 広島県
時代: 現代 平成28年 2016年

鑑定書:

銘: 安芸国三上貞直作之(花押)
平成二十八年仲秋
形状 : 鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、元先の幅差少なく、長寸にて、反り浅くつき、大鋒となる。
鍛 : 板目に、杢を交え、やや肌立ちごころに、地沸微塵に厚くつき、地景よく入る。
刃文 : 大互の目乱れ、腰の開いた刃・角張る刃・丁子風の刃などを交え複雑に乱れ、足入り、匂い本位に小沸つき、処々叢だち、金筋入り、砂流し幾重にもさかんにかかり、焼頭に飛焼風の湯走りなど交え、明るく冴える。
帽子 : 乱れ込み、尖って返り、先掃きかける。
彫物 : 表裏に棒樋を丸留する。
茎 : 生ぶ、先栗尻、鑢目筋違に化粧つく、目釘孔一。
拵 : 黒革包鞘柳生拵 総長 : 100.0cm
鐔 :

角切木瓜形、鉄練り地、小透、鋤残耳、無銘(現代)

高さ:6.5cm 幅:6.0cm 厚さ:0.5cm

柄 : 黒漆塗鮫着、黒漆塗平柄巻。長さ:24.4cm
縁頭 :

赤銅磨地、無銘(色絵)

高さ:4.2cm 幅:2.45cm

説明:

 三上貞直刀匠は、本名を孝徳といい、昭和30年6月11日、島根県島根県邑智郡邑南町(旧:瑞穂町)に生まれる。昭和49年、奈良県の重要無形文化財保持者(人間国宝):月山貞一刀匠に入門する。昭和55年、文化庁より作刀承認を受け、広島県山県郡北広島町に三上貞直日本刀鍛錬道場を開設する。昭和56年より新作名刀展において高松宮賞2回、文化庁長官賞2回、毎日新聞社賞1回、薫山賞2回、優秀賞1回、努力賞3回、入選4回など数多く受賞し、平成7年に無鑑査に認定される。作風は、長船長義を彷彿とさせる相伝備前をもっとも得意とし、師:月山貞一刀匠ゆずりのよく鍛えられた強靱な地鉄に、刃沸の強くついた湾れや乱れ刃を焼く。近年では、平成24年に、アニメ:エヴァンゲリオンの劇中に登場する「ロンギヌスの槍」を弟子の橋本庄市氏とともに制作して注目を集めた。

 形状は、鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、元先の幅差少なく、長寸にて、反り浅くつき、大鋒に結ぶ豪壮なる姿を呈す。地鉄は、板目に杢がよく交じり、地沸微塵に厚くつき、地景よく入る。さすがに地鉄の妙味を魅せる月山一門の三上刀匠が鍛えた地鉄であり、強靱ななかにも輝きがある。刃文は、三上刀匠がもっとも得意とされる相伝備前の大互の目乱れに、腰の開いた刃・角張る刃・丁子風の刃などを交え複雑に乱れ、足入り、沸づき、処々叢だち、金筋入り、砂流し幾重にもさかんにかかり、焼頭に飛焼風の湯走りなど交え、明るく冴えるといった優れた出来映えを示し、まさに古作:備前長義を彷彿とさせる。

付帯する黒革包鞘柳生拵は、豪壮な刀身が納められているとはとても考えられない極めて薄手のの鞘となっており、柄前は立鼓柄、鍔や縁は刀身に合わせて現代製を使用している。拵え全体は極めて質素に感じられるが、現代製とはとても思えない本格的な仕様となっている。取り分けて目貫の位置が通常とは異なる逆巻きとなる柳生拵となっていることが特筆され、職人の技を集結して製作された一品である。

備考:

無鑑査

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