商品詳細

短刀 大阪住月山貞一彫同作 (帝室技芸員)

明治丁未六月 為高橋月山博士造之

Tanto [Gassan Sadakazu]
特別保存刀剣
NBTHK Tokubetsu Hozon Paper
No. A00616
白鞘 銀無垢一重鎺

刃長 : 25.4cm(8寸4分弱) 反り : 極くわずか

元幅 : 2.4cm 元重 : 1.6cm

登録証:

東京都教育委員会
昭和27年8月26日
国: 大阪府
時代: 近代 明治40年 1907年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
特別保存刀剣鑑定書
令和3年8月27日
銘: 大阪住月山貞一彫同作
明治丁未六月 為高橋月山博士造之
形状 : 平造、三ッ棟、身幅尋常、重ね厚く、極くわずかに反りつく。
鍛 : 板目よく錬れてつみ、処々柾がかり、小さな杢交じり、地沸厚くつき、地景太く入る。
刃文 : 小のたれ調に小互の目交じり、足入り、匂深く、小沸よくつき、金筋太く入り、砂流しさかんにかかり、匂口明るく冴える。
帽子 : 浅くのたれて小丸に返り、先さかんに掃きかける。
彫物 : 表:草の倶利伽羅、裏に護摩箸に爪をともに肉彫する。
茎 : 生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目勝手下がりに化粧つく、目釘孔一。

説明:

 月山貞一(初代)は、貞吉の養子となり、雲龍子と号す。幕末における巨匠のひとりであるが、残念ながら廃刀令に際会し、苦労を重ねるも刀鍛冶を続ける。明治39年には、宮本包則とともに帝室技芸員に任ぜられ、日本刀鍛錬技術の保存と向上のために尽力している。作風は、家伝である綾杉伝の他に備前伝、相州伝など多岐にわたり上手であり、また、刀身に施した彫物も高い評価を得ている。

本作は、形状は平造、三ッ棟、身幅尋常、重ね厚く、極くわずかに反りついた短刀姿に、地鉄は、板目よく錬れてつみ、処々柾がかり、小さな杢交じり、地沸厚くつき、地景太く入り、刃文は、小のたれ調に小互の目交じり、足入り、匂深く、小沸よくつき、金筋太く入り、砂流しさかんにかかり、匂口明るく冴えるといった月山一門が得意とする相伝の作風をみせている。さらに表には草の倶利伽羅龍、裏には護摩箸に爪を細緻に肉彫している。銘文より、高橋作衛(号:月山)博士の為に謹作されたもので流石に優れた出来栄えを示している。

 


 

<高橋作衛について>

高橋 作衛(たかはし さくえ、1867年11月5日(慶応3年10月10日)- 1920年(大正9年)9月12日)は、日本の国際法学者、政治家。法学博士、東京帝国大学名誉教授、貴族院議員、法制局長官。

経歴
信濃国高遠藩儒で、維新後に長野県立長野中学教諭となった高橋白山の長男として肥前国(長崎県)に生まれる。第一高等学校を経て、1894年9月、帝国大学法科大学政治学科を首席で卒業。海軍教授となり、日清戦争に際し常備艦隊司令長官付の幕僚(法律顧問)、さらに旅順口根拠地司令長官付(通訳)に異動。1895年5月、海軍大学校勤務となり1896年3月まで務めた。1897年9月から英仏独に留学。1899年7月、東京帝大大学院を修了し、1900年2月、法学博士号を取得。1901年6月、東京帝大法科大学教授に就任し国際公法第二講座担任となる。
海軍省嘱託(1902年1月 - 1905年6月)、海大教授嘱託(1906年2月 - 11月)を務め、カーン奨学金を受けて1907年10月から1908年10月まで欧米に出張した。1908年2月、帝国学士院会員に就任。1914年4月、第2次大隈内閣の法制局長官となり1916年10月まで在任。同年10月、東京帝大教授を辞し、同月5日、貴族院勅選議員に任命され同成会に属し死去するまで在任した。
その他、陸軍軍医学校講師、大喪使事務官、高等捕獲審検所評定官、大礼使参与官、文官高等試験委員長、共通法規調査委員長、鉄道院職員救済組合審査会議長、明治神宮造営局評議員、軍需評議会評議員、国際法学会長などを務めた。
1903年6月、日露戦争開戦直前に戸水寛人、富井政章、小野塚喜平次、金井延、寺尾亨、中村進午と共に対露強硬論の意見書を作成し政府に提出した(七博士意見書)。
1920年、肉腫のため死去。墓所は文京区小石川の伝通院。

 

位階
1914年(大正3年)5月11日 - 従四位

勲章
1910年(明治43年)12月26日 - 勲四等瑞宝章
1915年(大正4年)11月10日 - 大礼記念章
1916年(大正5年)1月19日 - 勲二等瑞宝章、4月1日 - 旭日重光章

(Wikipediaより)

備考:

帝室技芸員

 

鞘書

「大坂住月山貞一 明治丁未六月 為高橋月山博士造之 表草倶利伽羅龍 裏護摩箸爪 長サ八寸四歩有之」

 

古研ぎのため、刃先に極くわずかな薄錆がみられます。

 

詳細写真1
詳細写真2
詳細写真3
詳細写真4
詳細写真5