商品詳細

脇指 近江大掾藤原忠広(新刀上々作)(大業物)

Wakizashi [Ohmidaijyo Tadahiro]
特別保存刀剣
NBTHK Tokubetsu Hozon Paper
No. A00604
白鞘 田野辺探山先生鞘書
銀着一重鎺
750,000

刃長 : 32.3cm(1尺0寸6分半) 反り : 0.4cm(1分強) 

元幅 : 3.1cm 元重 : 0.7cm

登録証:

長崎県教育委員会
昭和60年12月11日
国: 肥前国 (佐賀県・長崎県)
時代: 江戸時代前期 明暦頃 1655-1657年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
特別保存刀剣鑑定書
令和3年12月3日
銘: 近江大掾藤原忠広
形状 : 平造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、反り浅くつき、寸延びる。
鍛 : 板目よくつみ、処々肌立ちごころに、地沸微塵に厚くつき、地景よく入る。
刃文 : 中直刃、匂深く、小沸よくつき、細かな砂流しかかり、明るく冴える。
帽子 : 直ぐに小丸に返り、先掃きかける。
彫物 : (なし)
茎 : 生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔一(瓢箪形、上部銀埋)。

説明:

 近江大掾忠広は、初代:忠吉の嫡子で、寛永九年父が歿した時は十九歳の青年であったが、同九年から作刀が見られる。これは元来刀匠としての天分と技量を持ち合わせていた事はもちろんであるが、初代:忠広当時の弟子達の協力によって彼を助けたことも大きな力となっている。寛永十八年七月に近江大掾を受領し、元禄六年八十一歳で歿している。この間、作刀歴は六十有余年におよび、肥前刀工中で最も多くの作品を残している。作風は大別して、直刃と丁子乱れの両様があり、いずれも上手である。

 本作は、形状は平造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、反り浅くついた所謂段平な寸延びた短刀の姿形を呈する。地鉄は、板目よくつみ、処々肌立ちごころに、地沸微塵に厚くつき、地景よく入る。刃文は、中直刃、匂深く、小沸よくつき、細かな砂流しかかり、明るく冴え、帽子は、直ぐに小丸に返り、先掃きかけるといった典型的な作風を示している。表裏の中程やや下にやや弱い地鉄がみられることのみ惜しまれる。

 

備考:

新刀 最上作

大業物

 

田野辺探山先生鞘書

「肥前国近江大掾藤原忠広 刃長壱尺寸六分 時在辛丑季文月 探山識(花押)

八字有銘也 同工ノ数尠ナキ寸延短刀而粉糠肌状ノ地鉄ニ帯状ノ匂口明ルキ直刃ヲ焼キ地刃共ニ典型且ツ出来宜矣年代明暦頃ナラン」

 

古研ぎのため、細かなヒケ、刃区や棟に薄錆がみられます。

 

詳細写真1
詳細写真2
詳細写真3
詳細写真4