商品詳細

短刀 (無銘)肥後大掾貞国 (新刀上々作)

Tanto [Higodaijo Sadakuni]
保存刀剣
NBTHK Hozon Paper
No. A00598
白鞘 金着二重鎺

刃長 : 29.4cm(9寸7分) 反り : なし

元幅 : 3.75cm 元重 : 0.7cm

登録証:

静岡県教育委員会
昭和26年4月17日
国: 越前国 (福井県-北部)
時代: 江戸時代初期 慶長頃 1624-1643年頃

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
保存刀剣鑑定書
令和3年2月25日
銘: (無銘)肥後大掾貞国
形状 : 平造、三ツ棟、身幅極めて広く、重ね厚く、反りなく、包丁型となる。
鍛 : 板目に小板目・杢交じり、処々柾がかり、肌立ちごころとなり、地沸厚くつき、地景入り、地鉄黒味を帯びる。
刃文 : 広直刃調に、浅くのたれごころを帯び、互の目・小互の目交じり、小足入り、匂深く、小沸よくつき、細かに砂流しかかる。
帽子 : 直ぐに小丸にやや尖りごころに返り、深く焼き下げ先掃きかける。
彫物 : 表に「野狐精神梁魏人」の文字陰刻、その下の櫃中に「百丈和尚」を浮彫、裏に「断恵乃臂白刃満身」の文字陰刻。
茎 : 生ぶ、先栗剣形、鑢目勝手下がり、目釘孔二中一埋。

説明:

肥後大掾貞国については、江戸時代以来に刀剣書及び銘鑑にも記載が殆ど無く、詳細は不明である。一時、肥後大掾の銘振りなどが康継に近似ことなどから、康継同人説なども存在した。しかしながら、今日では、康継と最も密接な関係にあった下坂一門の刀工と解するのが通説である。貞国の作風は康継と多少の差異があり、黒ずんだ杢肌などは少なく、概ね鍛えがつみ、刃文も直刃調のものが多く、僅かにほつれ、小足が入り、地刃共に沸も穏やかな感がある。

この短刀は、生ぶ無銘ながら姿・地鉄・刃文・彫物・茎などから肥後大掾貞国に極められている。慶長頃には、包丁正宗の写しは堀川国広や越前康継らやそのその一門の作にまま見受けられる。本作の見事な彫物は刀身全体のバランスなどからしても製作当時のものと思量される。地刃ともに誠に健全にて健やかなる一振りとなっている。

 


<野狐禅>

野狐禅(やこぜん)とは、禅宗において、禅に似て非なる邪禅のこと。「無門関」第2則の「百丈野狐」に出る語である。野狐(やこ)とは低級な妖狐の1つ。野狐精(やこぜい)、野狐身(やこしん)、また生禅(なまぜん)ともいう。

「仏法は無我にて候」として真実の仏陀は自我を空じた無我のところに自覚体認されるはずのものなのに、徒(いたずら)に未証已証(みしょう・いしょう、いまだ証していないのに既に証覚を得た)という、独り善がりの大我禅者をいう。いわゆる魔禅の1つ。

「無門関」第2則の「百丈野狐」の公案には、前世に百丈山にいた老人が、かつて覚った者は「因果に落ちない」と言い、「空」の境涯のみを持ち上げて因果の理法を無視したが為に、五百生の間、野狐身の畜生道に堕したという話がある。この話からいったんの「空」の無相の境涯に捉われて、真に妙有・妙用(みょうう・みょうゆう)の境地に達しないのに、自ら覚り終ったとする独り善がりの増上慢(ぞうじょうまん)の禅をたとえて言ったものである。

(Wikipediaより)

備考:

新刀 上々作

 

古研ぎのため、刃先などに薄錆がみられます。

詳細写真1
詳細写真2
詳細写真3
詳細写真4