商品詳細

脇指 酒井一貫斎繁正謹彫同作

昭和三十六年六月十一日 (無鑑査)

Wakizashi [Sakai Ikkansai Shigemasa]
保存刀剣
無鑑査
NBTHK Hozon Paper
Mukansa
No. A00563
白鞘 金着一重家紋鎺 800,000

刃長 : 52.6cm(1尺7寸3分半) 反り : 1.5cm(5分) 

元幅 : 3.25cm 先幅 : 2.15cm 元重 : 0.65cm 先重 : 0.55cm 

 

登録証:

東京都教育委員会
平成16年6月8日
国: 東京都
時代: 現代 昭和36年 1961年

鑑定書:

保存刀剣鑑定書
平成20年5月30日
銘: 酒井一貫斎繁正謹彫同作
昭和三十六年六月十一日
形状 : 鎬造、庵棟、身幅尋常、重ね厚め、元先の幅さややあり、先反りつき、中鋒となる。
鍛 : 板目つみ、地沸厚くつき、地景入る。
刃文 : 互の目に、小互の目・丁字風の刃など交じり、足入り、乱れ、小沸よくつき、処々叢となり、砂流しかかる。
帽子 : のたれ込み小丸に返り、先掃きかける。
彫物 : 表に火炎に倶利伽羅を肉彫、裏に「程美味求真」の文字を陰刻する。
茎 : 生ぶ、先刃上がり栗尻、鑢目切、目釘孔一。

説明:

 酒井一貫斎繁正は、本名を酒井寛といい、明治38年、静岡市音羽町に酒井安次郎(宮口正寿の弟)の三男として生まれる。大正10年、16才で東京に出て、笠間一貫斎繁継の門に入り、約15年の長期にわたり鍛刀・彫刻を修行し、師より「繁」の一時をもらい初銘は「繁正」、後に「繁政」と銘す。昭和8年、従兄弟の宮口靖広(寿広同人)の先手として、靖国鍛錬所に入会する。昭和11年、宮口靖広、竹田定吉とともに靖国鍛錬所を退会、大倉喜七朗男爵が開設した大倉鍛錬道場に移籍する。昭和16年、東京都板橋区に独立鍛刀所を開設。同年、陸軍受命刀匠の認定を受ける。昭和19年、海軍受命刀匠の認定を受ける。昭和56年、(公)日本美術刀剣保存協会の無鑑査に認定される。師である笠間一貫斎繁継と同様に彫物を得意とする。

 この脇指は刃文は、繁正の得意とした互の目乱れに、丁子風の刃が交じり、刃中よく働き、匂口が明るい。彫技は、さすがに師である笠間一貫斎繁継の一門だけに巧みであり、表の火炎に倶利伽羅、裏に「程美味求真」の文字を陰刻し鏨がよく効いて、濃密な彫口となっている。表の倶利伽羅(剣巻龍)は大坂新刀の名工:一竿子忠綱の彫技に私淑したものと推察される。

備考:

無鑑査

 

古研ぎのため、全体に細かなヒケや擦れ、細かな点状の小錆がみられます。

詳細写真1
詳細写真2
詳細写真3
詳細写真4
詳細写真5
詳細写真6