商品詳細

脇指 備前国住長船祐定作(彦兵衛尉)

  明応十年二月日(古刀最上作)(大業物)

Wakizashi [Bizen Osafune Hikobeenojyo Sukesada]
特別保存刀剣
NBTHK Tokubetsu Hozon Paper
No. A00524
白鞘 田野辺探山先生鞘書 金着一重鎺

刃長 : 41.2cm(1尺3寸5分強) 反り : 0.8cm(分) 

元幅 : 2.7cm 元重 : 0.65cm 

 

登録証:

東京都教育委員会
昭和44年7月31日
国: 備前国 (岡山県-南東部)
時代: 室町時代中期 明応10年 1501年

鑑定書:

(公)日本美術刀剣保存協会
特別保存刀剣鑑定書
令和元年5月23日
銘: 備州長船祐定
明応十年二月日
形状 : 平造、庵棟、身幅尋常、重ねやや厚く、反りつく。
鍛 : 板目よく錬れてつみ、杢交じり、処々わずかに柾がかり、地沸つき、地景よく入り、淡く映りたつ。
刃文 : 腰の開いた互の目を主調に、互の目・小互の目・丁子風の刃など交じり、乱れ、足入り、匂深く、匂主調に小沸つき、金筋入り、砂流しかかり、刃縁に小さな飛焼風の湯走りを交え、明るく冴える。
帽子 : 直ぐ調に小丸に返り、先掃きかける。
彫物 : 表裏に、梵字、その下に護摩箸を肉彫する。
茎 : 生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔二。

説明:

 本作は、明応十年紀を有する長船祐定の作で、俗名はないが、その銘振りよりして、彦兵衛尉と鑑せられるものである。室町時代末期の長船刀工群の中で、祐定を名乗る刀工は数多いが、中でも与三左衛門尉・源兵衛尉及びこの彦兵衛尉は、とりわけ技倆が高い。彦兵衛尉祐定は与三左衛門尉祐定の父と伝え、作風は概ね直刃で、この手のものに佳作を見る。

 この脇指は、形状は、平造、庵棟、身幅尋常、重ねやや厚く、反りつき、地鉄は、板目がよく錬れてつみ、杢交じり、処々わずかに柾がかり、地沸つき、地景よく入り、淡く映りたつ。刃文は、腰の開いた互の目を主調に、互の目・小互の目・丁子風の刃など交じり、乱れ、足入り、匂深く、匂主調に小沸つき、金筋入り、砂流しかかり、刃縁に小さな飛焼風の湯走りを交え、明るく冴える、といった優れた出来映えをしめし、一見すると一時代古い応永備前をみるような古色が感ぜられる。地刃共に明るく冴えて、抜群の出来映えを示しており、彦兵衛尉祐定の本領を遺憾無く発揮して間然する所が無い。

備考:

古刀 最上作

大業物

 

田野辺探山先生鞘書

「備前国長船祐定 長壱尺参寸五分半有之 時在己亥仲春 探山識(花押)

六字銘並ビニ明応十年二月日紀有之 俗名無キト雖モ彦兵衛尉ナルハ明ラカナリテ同工ハ与三左衛門尉父也 姿態及乱ノ様子ニハ一脈応永備前ヘノ復古的ナ面ガ覗ヒ知レル優品也」

 

全体に細かいヒケがみられます。

指表の鎺元の刃先に小さな傷があります。

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