珍 品 | |
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No.E00003 |
共箱 - 月山貞勝筆 |
売 約 済 |
全長 : 36.8cm 横幅 : 3.5cm 厚さ : 1.95cm 重さ : 980g |
画題 : 山桜花図 |
国 : 大阪府 時代 : 現代 昭和十二年 1937年 |
鑑定書 :
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銘 : 刀匠 月山貞勝謹作(花押) 昭和十二年五月吉日 |
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材質 : 親骨-鉄磨地 肉彫 文字陰刻 小骨-真鍮地 |
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説明 : 鉄扇は扇子の一種であるが、通常の扇子が骨の材質に木や竹を用いるのに対し、鉄を用いる点が大きな違いとなっている。骨のみが鉄製で紙や布などを張ったもの、鉄の短冊を重ねたもの、また、扇子の形を模しただけで実際には開かないものがある。 古来より武術のひとつにあり、護身用の武器、鍛錬用などとしても使用された。 新選組の初代筆頭局長である芹沢鴨は、常に「盡忠報國の士、芹澤鴨」と刻まれた鉄扇を手にしていたという。また、西郷隆盛は鉄扇仕込みの外装に村正の短刀を忍ばせていたなどの逸話がある。 本作は、近代を代表する刀工のひとりである月山貞勝の世にも珍しい鉄扇である。よく鍛えられた良質な鋼を用い、実際には開かない細部まで入念に造り込まれている。約70年前に製作されたものであるが、朽ち込みなどはみられず、鉄の磨地に程よく錆がのり美しい鉄色となっている。 彫物は本居宣長が詠んだ「しきしまの大和ごころを人問はば朝日に匂ふ山ざくら花」の歌を表し、表に「朝日に匂ふ」の文字、裏に「山桜花」を彫刻し見事である。昭和10年より、貞勝は鍛刀場を桜の名所としても知られる奈良吉野山に移しており、以来、月山一門の得意とする画題となっている。一方、戦時中には異なる歌意を国威掲揚のために盛んに使用され、当時の世相を反映しているともいえる。
※ 歌の詳細ついては、本居宣長記念館HP 【 敷島の歌 】 【 敷島の歌-その後】 を参考ください。 |
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備考 : 月山貞勝自筆の共箱が附帯している。 「鐵扇 壱本」 「一 朝日に匂ふ山桜花彫刻 刀匠 月山貞勝(落款) 昭和十二年五月吉日」
全体に小錆があります。小骨部分にも緑青錆がみられます。朽ち込みなどはみられません。 鉄扇は開閉しません。 |